──2024年のトピックを。
パッケージソフトウェアの販売を3月末で終了した。既存のお客様には今後、サポート終了までの5年以内に「PCAクラウド」または「PCAサブスク」への移行をお願いしていくので、われわれとしては、リカーリングモデルに転換していく元年であり、エポックメイキングな年になったと受け止めている。現状、利用料金の値下げをさせていただいたこともあり、PCAサブスクの伸びは大きくなっており、初めの年としてはいい成果を残せた。
佐藤文昭
代表取締役社長
──「PCA Hubシリーズ」の拡充状況は。
「PCA Hub 年末調整」「PCA Hub 労務管理」「PCA Hub HR Suite」の提供を開始した。HR分野にフォーカスした業務のデジタル化やDX推進などがクローズアップされ、着実にお客様を増やすことができている。社会情勢としては、郵便料金の値上げの影響で、「PCA Hub 取引明細」が注目され、請求書のデジタル化が加速したと実感している。
──クラウドに対するユーザーの投資意欲は。
主な顧客層である中小企業では、DXを少しずつ認識しており、クラウドが相当、浸透してきている。PCAクラウドは価格優位性があり、順調に理解が得られている。インボイス制度の特需があった23年に比べて伸びはやや弱かったが、最近は巡航速度まで戻ってきている。
「PCA Hubシリーズ」も充実へ
──25年に注力する取り組みは。
PCA Hubシリーズのラインアップや機能の充実を図る。具体的には、財務会計ソリューションの強化のため「PCA Hub 経費精算」を提供する。「PCAクラウド会計」「PCAサブスク会計」と合わせてワンストップ提案することで、既存ユーザーのデジタル化や業務効率化を進め、新規の顧客獲得につながるプロモーションも展開していく予定だ。PCAクラウドとPCAサブスクへの移行にも引き続き注力する。
──パートナーとの関係については。
複合機系の販売パートナーとの関係が特に強く、お互いに連携しているので、この部分は引き続き強化し、われわれの製品やサービスをより使いやすいかたちにしていきたい。また、25年は公益法人等制度改革改正があるので、新制度に対する情報共有や新サービスの提案が行えるようにしっかり支援していく。
──25年の抱負を。
PCAクラウドとPCAサブスクへの移行を含めて、着実な成長に向けてしっかり階段を上っているので、25年も良い年にしたい。できれば年内に新しい中期経営計画を出し、それに基づいて特需に頼らない経営を目指しつつ、リカーリングモデルへの転換を本格化させる。