Special Feature
RPA×AIエージェントで唯一無二の存在に UiPathが掲げる「信頼できる自動化」とは
2025/07/14 09:00
週刊BCN 2025年07月14日vol.2067掲載
(取材・文/大畑直悠)

役割分担で互いを補完
同社が提唱するエージェンティックオートメーションは、人間とRPA、AIエージェントが適材適所で役割分担しつつ、業務プロセスを自動化する考え方。同社は従来、RPAを最大の武器として業務の自動化を支援してきた一方で、製品の適用範囲が一つのシステム内で完結できるタスクにとどまるという課題があった。AIエージェントの登場によって、RPAの強みを補完し、複数システムを横断した業務プロセス全体を包括的に自動化するビジョンが描けるようになる。日本法人は2025年6月に、エージェンティックオートメーションを実現する基盤「UiPath Platform for Agentic Automation」の提供を開始した。中核機能はワークフローの構築を担う「UiPath Maestro」とAIエージェントの構築基盤「UiPath Agent Builder」だ。
UiPath Maestroは、自動化プロセスの「設計」「実装」「運用」「監視」「最適化」までを一貫してサポートする製品となる。業務内容に応じてAIエージェントやRPA、人間の役割を決定してワークフローを作成するほか、プロセスの実行状況や結果の可視化、ボトルネックとなる非効率性の特定・解消、修正した際の影響分析までカバーする。RPAとともに同社が得意としてきたプロセスマイニングの技術や知見を反映させており、プロダクトマーケティング部の夏目健・部長は「業務プロセスは一度つくって終わりということにはならない。課題の発見や分析、改善を一貫して支援し、事業環境の変化にも対応しながら継続的にアップデートできるようにする」とアピールする。

UiPath Agent BuilderはノーコードでAIエージェントを開発可能で、生成AIアシスタント「Autopilot」と自然言語で会話しながら構築したり、性能の評価や改善点の推奨を受けたりできる。AIエージェントが業務を実行する際に利用するRPAワークフローの指定や、人間の介入が必要となる状況を設定できる点が特徴だ。夏目部長は「AIエージェント開発のスペシャリストと言える人材はまだあまりいない。Autopilotで求められるスキルの要件を下げ、市民開発を可能にしていく」と話す。
初動の手応えは上々のようだ。24年11月の製品発表後にプライベートプレビューを実施。グローバルで150社を超える企業が先行利用し、財務や人事、営業、法務など幅広いユースケースが試された。国内からも金融、製造、通信などの業界から数社が参加したという。
顧客としては大企業だけではなく、中堅・中小企業まで幅広い顧客を想定する。夏目部長は「人手不足に悩む企業は多く、熟練者の高齢化や退職も課題だ。業務プロセスの中に蓄積されてきたノウハウやスキルの喪失を防ぐ意味でも、熟練者のナレッジをデータベース化してAIエージェントに反映し、業務プロセスを最適化したいとする要望が多い」と話す。
- “広げる”と“狭める”で価値創出
- パートナーの役割はより大きく
- 実装事例も登場
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