──2025年を振り返って。
引き続きマルチプロダクト化に注力した一年だった。クラウド人事労務ソフト「SmartHR」で勤怠管理と給与計算のモジュールをリリースできたのが大きな成果だ。給与計算は既存ソフトウェアがたくさんある中で当社が手掛けられていなかった最後のピースだったが、給与計算までワンストップでできる人事労務ソフトウェアとしてのプレゼンスを示せたし、予想を超える進捗で浸透している。
芹澤雅人 代表取締役CEO
──給与計算も包含することで提供できる価値は。
従来の業務システムは管理者が使う前提だったが、当社サービスは全従業員にアカウントが発行され、情報の修正なども各自で行える。「データ入力レス給与計算」というビジョンを掲げているが、自然にデータがたまっていくので、給与計算も楽になっていく。トータルでみて人事労務の業務全体が効率化される点が、支持される一番大きな理由だ。
──AIによる機能強化にも注力した。
AIは二つの軸で取り組んでいる。一つはデータ入力の補佐機能。OCR機能で書類からAIがデータを読み取り、データ入力が楽になる。もう一つは、AIアシスタント機能だ。就業規則など会社の規定をAIに学習させ、従業員からの問い合わせにチャットを介してAIに問い合わせるものだ。これを発展させていけば、人的資本経営に必要な情報をAIに問い合わせることも可能になってくる。SmartHRにいかにデータを蓄積し、それをAIにどう接続するかが重要になってくるが、その第一歩を踏み出すことができた。
スピーディーに価値を届ける
──30年に売り上げ1000億円という目標を掲げている。
SaaSだけで達成できるとは思っておらず、BPOやコンサルティングなども含めて売り上げをつくっていく。とはいえ、大部分を占めるのが主要プロダクトのSaaSであることは間違いないので、どう力強く成長させ続けるかがかぎになる。
当社は創業10周年になるが、つくりたい機能やお客さんから求められる機能はまだまだたくさんあり、引き続き機能強化を行っていく。加えて、業務を点で効率化するのではなく、業務全体を再定義するくらいのレベルで、AIとクラウドを組み合わせた新しい価値提案をしていきたい。
──26年の抱負を。
給与だけでなくタレントマネジメントや情報システム部門向けの機能も継続的に機能強化し、スピーディーに価値を届けていく。当社が効率化しているのが業務のオペレーション部分だが、その先にある経営の本質に関わる人の育成などの領域も民主化していきたい。26年中にはプロトタイプのようなものを示したいと考えている。