Special Issue

<HP BladeSystemパートナー特集> 販売代理店との協業強化で需要の掘り起こしへ 前編

2007/10/24 19:56

週刊BCN 2007年10月22日vol.1208掲載

アルファテック・ソリューションズ
仮想化のプラットフォームに注力

 アルファテック・ソリューションズは、サーバ、ストレージ、ネットワークといったシステム基盤に対して、コンサルテーションから設計・構築、運用・保守に至るまでのトータルソリューションを提供している。同社は仮想化のプラットフォームに注力し、一昨年以来HP BladeSystemと組み合わせた提案を行ってきた。

 「当初は統合化によるTCOの削減で注目されていたブレードサーバですが、仮想化ツールとの組み合わせにより、お客様のビジネスの俊敏性や継続性を向上させるソリューションとしての関心も高まってきています。ビジネス毎にサーバを立てていた従来の方法に対して、サーバを柔軟に増設しながら無駄なく、素早く利用できる総合的な基盤作りが進んでいます」とは西山紀明事業部長の弁。同社では、HP BladeSystemに仮想化ツールを組み合わせる事例が増えているという。

 「“ブレード+仮想化“のソリューションは我々SIerの技術力が試される領域。“c3000”は、その技術力を中堅・中小企業にまで広げられる可能性があるものです」と、市場の拡大に対する「c3000」への期待は大きい。

伊藤忠テクノソリューションズ
HP BladeSystemのアジアNo.1ベンダーに

 HPがワールドワイドで販売代理店に対する表彰式で、CTCは昨年度(06年10月期)にアジア地域でブレードサーバの売り上げが最も高い販売代理店として選ばれた。児玉孝雄部長は、「今後も、ブレードNo1ベンダーとして、システムに関する“統合”や“仮想化”を切り口としたソリューション提供を徹底していきたい」とビジョンを語る。

 同社は、ブレードサーバをベースとした提案に加え、ストレージやネットワークまでを網羅した幅広い統合/仮想化関連の製品・サービスを提供できるノウハウを持つ。ストレージでは、HPの仮想化機能を搭載した「HP StorageWorks EVA」を、マルチプラットフォームで、導入から保守まで一貫してサポート可能な国内唯一のSIerである。また、VMwareのソリューション化にも力を注いでいる。こうしたことから、大企業を中心に仮想化ニーズをキャッチアップできたというわけだ。「c3000」シリーズが発売されたことで、「“c3000”の導入のしやすさを切り口に、試験導入や、部門、支店への販売を加速させ、ブレードサーバの裾野を広げていきます」としている。今後も、「トップベンダーを維持していきますよ」と自信をのぞかせる。

エフタイム
顧客との太いパイプが最大の武器

 エフタイムの前身はオムロンデータゼネラル(現アルファテック・ソリューションズ)内に発足されたHP製品を専門に販売する新規事業推進室Hプロジェクトだ。1995年の創業とほぼ同時にHPマスタリセラ契約を締結している。UNIX系に強いパートナーで、IAサーバ、PCクライアントに至るまですべてのHP製品を取り扱っている。同社は機動力と技術力で二次代理店への販売を行っており、顧客のほとんどがSIerで占められている。

 「“一番小さな一次代理店”といえばわかりやすいでしょうか。実際、当社の9割はHP製品となっております」と、福良秀浩部長は語る。

 ブレードサーバ市場については、「数年前から引き合いをいただいております。お客様も興味をもたれていると肌で感じています」と語る。HP BladeSystemは集積度が高く、電力あたりのパフォーマンスも高い。仮想化やEVAなどと組み合わせることでユーザーのメリットも多い。「HP BladeSystemは、運用コストの低減が実現できると喜ばれています。“c3000”はお客様にご愛顧を頂ける製品で、営業全員が張り切っております」とのことだ。

大塚商会
拡販体制の確立で“お客様目線”を追求

 PCサーバ販売が年間4万台規模の大塚商会。「ブレードは“サーバ統合”をキーワードに、急速に伸びるでしょう」と、伊藤昇次長はみている。同社では、PCサーバのうちブレード案件が3割程度に増えているという。ブレード関連の製品・サービスを当たり前に提案できる体制が最大の要因だ。昨年度に実施した半年間に渡る週1回程度の勉強会で、営業担当者がブレードに関する高い知識を習得した。「実は自主参加だったんです。ところが、開いてみると受講者が非常に多かった。社内でブレードビジネス拡大の意識が高まっているあらわれです」。全国に専門の技術者チームも配置している。サービス面ではユーザー企業の導入移行を支援する「サーバ・ネットワーク構築支援コンサルティング」を提供。仮想化も視野に入れたきめ細かいメニューも検討している。また、本社内に設置したストレージ統合を含めた「EVA検証センター」も強みだ。こうした取り組みは、全社コンセプトである“お客様目線”の追求につながる。製品面では、「お客様の用途に最適なサーバを選ぶ必要性があります。日本HP様には、今後も運用管理の容易性や省電力低発熱の製品開発に期待しています」としている。

[次のページ]