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<NEC事例特集> ビーコン インフォメーションテクノロジー 『WebSAMオフィス』を活用しサポートノウハウを販売

2007/12/06 19:56

週刊BCN 2007年12月03日vol.1214掲載

顧客の負担を軽減し、障害対応を迅速化する

 ビーコン インフォメーションテクノロジー(以下、ビーコンIT)は、顧客の戦略目標を効果的に実現するデータの「管理」「統合」「活用」という分野に応じた高い技術・ノウハウを有するベンダーの1社。基幹システムなどに蓄積されたデータを抽出し、データウェアハウスなどで利用しやすい形に加工し、対象となるデータベースに書き出すETLツール『Waha! Transformer(ワッハ トランスフォーマー)』を提供している。NECとの協業により、顧客に「安心・安全」を提供するとともに同社の新しいビジネスチャンスとしている。


■データ統合を実現するETLツール

 『Waha! Transformer』は1999年4月に市場に投入され、現在、800社1200ライセンスを超える導入実績がある。「新システムを構築・導入するにあたり、既存のデータがバラバラな状態であり、データソースの品質も揃っていないということを課題としているお客様が非常に多いと感じています。『Waha! Transformer』は、そのような課題を持つお客様に最適なソリューションです」と、ビーコンIT・グローバルパートナービジネス事業部・営業部の伊藤親大課長は語る。

 これまで、新システムを構築・導入する際、既存の基幹システムのデータを加工するため、プラットフォームに応じたプログラミングが必須となっていた。「例えば、メインフレームからのデータ抽出にはCOBOLを使い、抽出・クレンジング処理、コード変換などを行います。同様にWindowsではSQLやVisual Basic、UNIXではSQLやCといったプログラミング言語を用い、元になるデータを作成します。それらのデータを集め、マージ、集計処理、データウェアハウスへのローディング処理などを行うために、C++などのプログラミングを活用することになります。非常に多くの工程が必要なのです」と、ビーコンIT・グローバルパートナービジネス事業部・技術部の木芳之次長は語る。このように、これまでの作業ではプラットフォームごとプログラミングの知識とデータベースに対する高い知識が必要だった。そういった技術を持つ人員を確保するだけでも困難といえよう。『Waha! Transformer』は、さまざまなプラットフォームに散在しているデータに直接アクセスし、ノンプログラミングでデータ統合を実現するため、既存の基幹システムと効率よくデータを連携し、少ない工数で早くシステムを立ち上げられるようになる。

 「『Waha! Transformer』を使ううえで必要なのは、インとアウトのデータ仕様を把握していることですね。あとは、1日トレーニングを受けていただければ、すぐに『Waha! Transformer』をご活用いただけるようになります」(伊藤課長)。『Waha! Transformer』は、データにかかわる処理・業務の工数削減、高速実行を実現するツールだ。ドラッグ&ドロップによる簡単なオペレーションに加え、データの流れをグラフィカルに表示し、扱いやすいツールとなっている。

 「『Waha! Transformer』は、業種・業態を問わず導入いただいております。最近では、自治体や金融機関の統合などが増えていることもあり、ニーズが高まっていますね」(伊藤課長)。

■『WebSAMオフィス』を活用した新たなビジネスチャンス

 2007年11月、NECとビーコンITは『Waha! Transformer』に『WebSAMオフィス』を組み込み、2008年3月より販売すると発表した。『Waha! Transformer』が出力するログを一元的に監視。あらかじめエラーや障害時の対処法をナレッジ登録することで、何が問題かということに加え、どう対処したらいいのかといったナビゲーションも可能になる。

 「これまでは、ログの取得・送付など、障害時のお客様の負担に加え、ログの分析・対処まで時間がかかっていたシステムにおいても、『WebSAMオフィス』と連携することで、システムの予兆監視もでき、お客様の負担を軽減、障害対応を迅速化することができます。また、ナレッジを活用することで、サポートノウハウの販売も実現できます」と、第一システムソフトウェア事業部(マーケティング・販促グループ)の菅 和則主任は語る。

 ビーコンITは、24時間365日、同社のコールセンターにて製品のサポートを行っている。そこに蓄積された、障害時の対応ノウハウを『WebSAMオフィス』のナレッジにすることで、より高い付加価値を顧客に提供できることになる。

 「『WebSAMオフィス』のナレッジを活用することで、お客様満足度の向上に加え、当社のカスタマー部隊の負荷の軽減もできます。また、サポートのノウハウをナレッジとして販売することも可能となり、新しいビジネスチャンスとして期待しています」(木次長)とのことだ。ビーコンITは、NECが展開する『WebSAM WORKS』に参加しており、従来からジョブ管理ツール『WebSAM JobCenter』により、『Waha! Transformer』を自動実行するなどの実績を積んできた。そして今回、『Waha! Transformer』の運用性のさらなる向上を図るため『WebSAMオフィス』用のナレッジを共同開発したのだ。

 ビーコンITは『WebSAMオフィス』との連携を、ほかのパッケージ製品にも広げていきたいとしている。製品・サービスの付加価値を高めるNECとの協業は、市場からも注目を集めている。(週刊BCN 2007年12月3日号掲載)

NEC=http://www.nec.co.jp/WebSAM/
ビーコンIT=http://www.beacon-it.co.jp/
WebSAM WORKSセミナー=http://www.nec.co.jp/semi/wsw071214/

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