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【JA摩周湖 導入事例】NEC ポータス 販売店の力強い武器となった『InfoCage PCセキュリティ』

2007/12/12 15:49

週刊BCN 2007年12月10日vol.1215掲載

ニーズに柔軟に応えることで、新規顧客の開拓に成功

 北海道・釧路に本社を構える地場の販売店であるポータスは、これまでセキュリティ商材をあまり扱ってこなかった。その理由は、セキュリティ製品の導入設計には多大なる時間が必要であるからだ。ところが、情報漏えい対策が課題となっていたJA摩周湖に『InfoCage PCセキュリティ』を導入することができた。顧客ニーズに応える機能に加え、導入・管理・運用といった、すべてのフェーズで評価が高かったのがその理由である。専任の管理者を設置できないJA摩周湖にとって、さまざまな課題を解決する対策ソフトとして利用されている。『InfoCage PCセキュリティ』のファーストユーザであるJA摩周湖の導入事例について話を聞いた。

■JA摩周湖の課題を解決したソリューションとは

 ポータスは1989年に創業し、釧路に本社を置き、札幌、帯広、東京にも拠点を持つ企業だ。物流や商社など、三ッ輪グループのシステム開発や運用業務などを展開、高い技術力とノウハウを蓄積してきた。

 06年4月には、iDC(インターネットデータセンター)を開設し、新たなビジネスの柱として位置づけている。また、ポータスは文教市場にも強く、釧路管内にある多数の小中高校に、コンピューター利用教育システム(CAI)を納入しているという実績もある。

 07年6月にはISO27001(ISMS)を認証取得し、セキュリティ強化にも取り組んでいる。

 「今回、導入をいただいたJA摩周湖様は、NEC様からのご紹介がきっかけでした」と、ポータスのマネージドサービス部 取締役部長の中居郁雄氏は語る。JA摩周湖は、北海道東部の釧路支庁管内北部に位置し、正組合員戸数は148戸、組合員数746名という組織だ。同組合の管轄は、酪農中心の農業で、最近では『摩周そば』のブランディングに力を入れている。

 JA摩周湖の課題は「包括的なセキュリティの強化」だった。JAは、組合員の生産物を販売する事業のほか、JAバンクやJA共済などの金融機関、ガソリンスタンド「JA-SS」、スーパーマーケット「Aコープ」の経営といった多岐にわたる事業を行っている。JA内のシステムには、組合員の個人情報も多く存在し、情報漏えい対策は必須である。JA摩周湖の場合、情報を集約するファイルサーバのほかに、およそ90台のPCが導入されていた。

 それらのPCを職員だけでなく、組合員が利用することもあり、誰もが個人情報を含む機密データにアクセスできてしまう非常に危険な状態にあった。

 情報漏えいを未然に防ぎ、セキュリティリスクを低減させる意味でも、セキュリティの強化は不可避だ。さらに、05年に全面施行された「個人情報保護法」を契機に、情報漏えい対策を施すよう全国農業協同組合中央会からの通達も出ている。新ソフトの導入にあたっては、JAであるため、新たな投資には総会で組合員の総意を得なければならない。利益を直接生まないセキュリティ対策に対して、多額の投資は、同意を得られない可能性もある。今回の事例は、機能とコストのバランスが重視された案件といえよう。

 「JA摩周湖様の場合、“操作ログの取得”“データの暗号化”“ユーザ認証の強化”を求められていました。しかし、これらの機能を満たすために単一のソリューションを組み合わせていくと、コスト高となります。そこで、コストを抑え、包括的なセキュリティ対策を実現する『InfoCage PCセキュリティ』を提案しました」と、NEC釧路支店 主任の佐藤勝美氏は当時を振り返る。

■マルチベンダー環境でも稼働した『InfoCage PCセキュリティ』

 さまざまな提案の中から、JA摩周湖は『InfoCage PCセキュリティ』の導入を決定した。

 『InfoCage PCセキュリティ』は、ユーザ認証やデータの暗号化、情報漏えいにつながる不正なプログラムの起動停止やプリンタ、外部メディアへの書き込み制御など、運用ポリシーに応じたPCの制御が可能。

 操作ログの収集機能など、必要な情報漏えい対策をワンストップで提供するクライアント総合対策製品だ。

 ほかのソリューションと比べ、機能的にはもちろん、管理・運用も容易で、コストも組合員の理解を得られる範囲内であったことが挙げられる。導入時も大きなトラブルはなかったという。

 「NEC以外のPCもあるマルチベンダーな環境下でしたが、導入は非常にスムーズに進みました。使い勝手も、これまでとまったく変わらないということで、JA摩周湖様には、ご満足いただいています。ニーズにマッチしたものをご提供できたのが、お客様の満足につながったのだと思います」と、ポータスのマネージドサービス部 マネージャーの小町啓友氏は語る。

■事例を足がかりに新規顧客の開拓を

 JA摩周湖は『InfoCage PCセキュリティ』導入後、これまで以上に安心して業務ができるようになったという。ポータスでは、JA摩周湖の事例を足がかりに、同じ課題を持つJAに対して『InfoCage PCセキュリティ』の提案を行っている。

 「感触は良好です。これまでのセキュリティ対策の、導入・管理・運用が困難だったお客様にとって、『InfoCage PCセキュリティ』はニーズに応えた選択しやすいソリューションだと思います」(小町氏)とのことだ。ポータスは、『InfoCage PCセキュリティ』を新しい付加価値の商材として活用し、新規顧客の開拓を実現している。

 さらに、NECのサポート力の高さについて聞くと「北海道の場合、札幌が情報発信の中心になりますが、セミナーや勉強会での適切な情報を拠点からも発信していただいているので、お客様への販売やサポートも安心しています」(中居氏)。

 これまでNECは、北海道でより多くのお客様を獲得することが課題となっていた。しかし『InfoCage PCセキュリティ』という製品の提供に加え、地場のシステムインテグレーターとの密接な協力体制により、新しい市場開拓を可能とした。

 「今後、このような広がりに大きく期待しています」(佐藤氏)とのことだ。NECの勢いはとどまることを知らない。北の新天地において、新たなる展開が始まろうとしている。(週刊BCN 2007年12月10日号掲載)

NEC=http://www.nec.co.jp/
ポータス=http://www.portusinc.co.jp/
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