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<セキュリティソリューション特集> 中堅・中小規模企業にも広がる 業務全般に求められる内部統制の整備 前編

2007/12/14 19:56

週刊BCN 2007年12月10日vol.1215掲載

HDE
ASPのノウハウを蓄積し新規市場の開拓を目指す戦略とは

■ASP・SaaS型サービスのノウハウを蓄積するHDE

 HDEはこれまで、メール監視/保存ソフトや迷惑メール対策ソフト、メール暗号化ソフトなど、独自開発した電子メールセキュリティ関連製品を次々と市場に投入してきた。機能面はもちろん、高い安定性・信頼性が求められる市場で、多くのユーザーの支持を獲得している。「お客様の声として、パッケージ製品だけでなく、ASP、SaaS型のサービスを求める声が高くなっています。それらのサービスを開発・提供できるノウハウを蓄積する目的で、ASPサービスを無償で提供しています」と、プロダクト本部・マーケティング部の田中健介プロダクトマネージャーは語る。

 パッケージ製品は、導入・管理・運用コストの問題から、ある程度以上のシステム規模でなければ導入するのが難しい。しかし、小規模システムを運用している企業にとっても、電子メールセキュリティニーズが高いASPやSaaS型のサービスは、自社でシステム構築する場合に比べ、導入コストや期間、面倒な運用管理や維持費用なども大幅に削減できる。導入の障壁が低いため、新規市場を開拓できる可能性を秘めている。

■小規模システムに有効なクライアントPC向けサービス

 HDEでは、メールサーバー向けの『HDE メールセキュリティASPサービスβ版』を2007年5月から、クライアントPC向けの『HDE セキュアアクセス ASPサービスβ版』を2007年12月から提供している。

 『HDE セキュアアクセス ASPサービスβ版』は、HTTP通信によるウイルス検査機能と、7日前までのアクセスログ、ユーザー管理、アクセス禁止リストなどの機能が利用できる。

 クライアントPCにはプロキシの設定ができ、ユーザー認証に対応しているWebブラウザがあれば利用できるため、通常使っているブラウザであれば、ほぼそのまま利用できる。設定も、ブラウザのプロキシの設定を行うだけでいい。導入工数がほとんどかからないソリューションである。

 「ある調査によると、5割ほどのクライアントPCにウイルス対策ソフトが入っていなかったり、定義ファイルが最新になっていなかったりするという結果がでています。『HDE セキュアアクセス ASPサービスβ版』のようなサービスを使えば、常に最新の定義ファイルが適用されます。また、クライアントPCにウイルス対策が導入されている場合でもゲートウェイとのダブルチェックをかけることができ、セキュリティレベルの向上に寄与します」(田中プロダクトマネージャー)。

 『HDE セキュアアクセス ASPサービスβ版』は、セキュリティ事故の予防策として利用できるほか、万が一の情報漏えい時にも漏えい状況の確認などもできる。社内にファイアウォールが設置されていない場合や専任の管理者を設置していない企業にとって、非常に有益なソリューションである。

■限定100社 無料で利用できる

 また『HDE メールセキュリティASPサービスβ版』は、迷惑メール・ウイルスメールのブロックをサーバー側で行う。これを利用するには、MXレコードの書き換えが必要となるが、運用管理工数が大幅に削減できるなどメリットは大きい。これらのサービスは、同社のサイト(http://www.hde.co.jp/asp/)から申し込みできる。なお、βサービス期間中、限定100社に無料でサービスが提供される。

 田中プロダクトマネージャーは、インタビューの最後に「β版のサービスですが、お客様のフィードバックをいただきながらノウハウをため、新しいサービスを提供していきたいと考えています」と、今後のサービス展開への期待を語った。

HDE=http://www.hde.co.jp/

(週刊BCN 2007年12月10日号掲載)

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