アドビ システムズは、大規模な企業や公共機関などの組織を対象にしたソフトウェア資産管理(Software Asset Management=SAM)の支援活動を、SAMソリューションとして、本格的に展開する。企業や組織内にて需要が高まりつつあるソフトウェアの「散在化」や「混在化」へのソリューションに対して、散在・混在化の状況を数値として把握したり、ライセンスプログラムを導入してコストを適正化したり、中長期的にSAM体制を構築する方法などでサポートする。SAM支援活動として、今春立ち上げた「SAMパートナープログラム」は、現在までにパートナー15社が加盟して、パートナーとともにSAMソリューションを本格稼働できる体制を築いた。

ソフトウェア資産管理ソリューションの展開へ SAMパートナーとともに 当初は15社でスタート

IT統制で高まる「SAM」のニーズ アドビが提供するSAMソリューション

 大規模な企業や組織では、「金融商品取引法(J-SOX法)」の適用などに伴って「IT統制」をすすめていく過程で、「ソフトウェア資産の正確な把握と中長期的な管理体制構築のニーズが高まってきている」(今泉寛・シニアライセンシングマーケティングマネージャー)という。

 今春、同社ではパートナープログラム、認証プログラム、ライセンシングコンサルティング、情報提供、および業界や政府機関との連携を軸とする支援活動を本格展開する旨を発表した。だが、企業や組織では、ソフトウェアの散在・混在化に対するソリューションの必要性が高まっていることから、同社は、今秋、顧客の体制に応じて最適なSAMを提案するSAMソリューションの提供を始める。(図:アドビ SAMソリューション参照)

クリックで拡大  具体的には、SAMの企画から、導入、管理、運用まで全般をサポートする「コンサルティングサービス」、SAMを実現するためのライセンスプログラムを提案する「ライセンスソリューションサービス」、SAMデータベースを作成するための「インベントリーサービス」、SAM導入後の管理体制を確認する「確認サービス」、そして、SAMに関するトレーニングを提供する「トレーニングサービス」に分類して提供する。

 また、SAMソリューションは、ソフトウェア資産管理を進めるうえでの必要なマイルストーンをできるかぎりカバーすることを視野にいれるという。

 「SAMというと、散在・混在化の現状を把握することに、どちらかといえばフォーカスされてしまう。確かに、現状把握はまず必要なプロセスだが、それだけでなく、どのような管理・運用体制が必要かまで視野に入れて対応したい」(今泉マネージャー)としている。(図:ソフトウェア資産管理マイルストーン参照)

クリックで拡大 「SAMパートナープログラム」が稼動

 同社のSAM支援活動は、自社の支援チームで展開してきた実績がすでにある。これらを、より顧客のニーズをベースに拡充して汎用的に活用できる仕組みにし、提案・導入できるようにプログラム化した。

 SAMパートナープログラムは、まず、同社の支援チームと現在までにトレーニングやセッションを経た15社と共同で本格的に開始する。この10月より、パートナー各社と、顧客向けのSAMセミナーを展開する予定だ。

 また、パートナーが、顧客に、コンサルティングやインベントリーサービスなどをより効果的に行えるようなSAM関連ツールや部材などの提供を行う予定だ。(画面:アドビ SAMパートナーリストWebsite参照)

 今泉マネージャーは「『SAMパートナープログラム』に参加するパートナーは、顧客へ、アドビ SAMパートナーとして、SAMを訴求できる資格と資質を持っていることを説明できるとともに、新たな付加価値を提供できる」と、パートナーにもたらすメリットを強調し、パートナーとともにSAMソリューションを推進する方針だ。

 同社は、SAM関連の業界や政府機関関連活動、標準化活動などにも積極的に参加し、率先してSAMの普及活動を展開している。また、他のソフトウェアメーカーに先行して、SAM支援専用窓口を設置し、顧客との双方向のコミュニケーションを行っている。

 アドビ システムズのSAM活動を外部に情報提供するSAM Newsletterなどの機関紙も発行している。「IT統制」の観点から顧客自体にSAMの重要性に関心と需要が高まっているためだ。

 これまで、ソフトウェアメーカー側において、顧客のニーズに応じたSAMの取り組みは、しっかりとした体制整備がされているとは言い難かった。

 しかし、マイクロソフトがSAM支援を実施しているほか、「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」や「Adobe Acrobat」のほか、リッチインターネットアプリケーション「Adobe AIR」など企業規模を問わず汎用的に使える商材を揃える大手ソフトメーカーのアドビ システムズが本格的に展開することで、日本市場でのSAMに対する関心がさらに高まることは間違いなさそうだ。