情報セキュリティ関連の製品・サービスを導入することにより業務改善を図ろうとする気運が企業の間で高まっている。世界同時不況の煽りでコスト削減を進めなければならないとしながらも、単に経費を削るだけの取り組みでは業績が回復しないと判断し、IT投資でコスト削減を図りながら成長につなげるケースが出てきている。セキュリティベンダーにとってはビジネスチャンスといえそうだ。

業務改善につなげる動きが顕著に

市場規模は成長傾向にコスト削減の効果も

 調査会社のIDC Japanによれば、アイデンティティ/アクセス管理製品が年間平均3.4%成長し、2012年に566億円の市場規模に、ぜい弱性管理製品が年間13.4%の成長率で2012年の市場規模は349億円になると予測している。世界同時不況の影響でユーザー企業によるIT投資を抑制する動きが顕著に現れているなか、情報セキュリティ関連の製品・サービスは需要が高まる商材として注目を浴びつつある。

 情報セキュリティ関連の製品・サービスに需要が高まりつつあるのは、効果的なコスト削減や業務改善を進めるうえで必要だと、企業が判断していることの現れとみられる。IT投資を行わずに単にコスト削減を図っただけでは業績伸長は望めない。一方、IT投資により業務改善が図れれば、将来に向けて成長するための土台を築くことができる。最低限のシステム管理として、情報セキュリティ関連の製品・サービスにニーズが高まっているわけだ。

 例を挙げれば、ログ管理を行うことは社員の勤務状況を管理するのに適しているのだ。とはいえ、単にログを収集しているだけでは分析することが難しい。そこで、最適な製品を導入すれば、単なるコンピュータのログ管理だけでなく各社員のワークフロー変革にもつながるわけだ。

法規制が導入を後押し 手軽なサービス型も登場

 情報セキュリティ関連の製品・サービスは、アイデンティティ/アクセス管理やぜい弱性管理に代表されるように、ユーザーのIDやアクセス権、ポリシー、ログ収集などIT統制に必要な要素を含んでいる。J-SOX法など法規制で、IT統制への関心が高まっているのが実状だ。IDC Japanでは、IT統制を進める大企業・中堅企業で今後も継続的に需要が拡大するとみている。

 課題は導入するための条件が厳しいことや費用が高い点といわれている。しかし、最近は情報セキュリティ関連のパッケージ製品だけでなく、SaaSなどを活用したサービス型モデルも各メーカーが提供している。ディストリビュータやSIerなどにとっては、情報セキュリティをベースにシステム案件を獲得できる可能性を秘めている。


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