丸紅アクセスソリューションズが提供している「VECTANT SDM」は、デバイスを管理するためではなく、活用することをコンセプトとしたMDM(モバイル端末管理)サービスだ。アプリの配信やセキュリティポリシー設定など、MDMとしての管理機能に加えてセキュリティ機能やスマートデバイスを業務用端末のように活用する機能を備え、さらにはコンテンツ配信機能やデジタルサイネージ機能、VPN接続機能など、従来のMDMとは一線を画した機能を提供している。デバイスのビジネス活用を強力にサポートする「VECTANT SDM」は、現場での利便性を大きく向上させることができるという。
通信事業者の強みを生かす

営業本部
モバイルソリューションチーム部長
橋口 信平氏 インフラから専用線、データセンター、IP通信サービスなど、法人向け情報通信サービスを提供する丸紅アクセスソリューションズでは、「モバイルとクラウド」をテーマに専任部署を設けてMDMサービスの「VECTANT SDM」を提供している。「VECTANT SDM」は、デバイスの「管理」から「活用」までをカバー。営業本部モバイルソリューションチームの橋口信平部長は、「デバイスを管理するだけなら、他社のMDMサービスが実現している。一方、当社は現場でスマートデバイスを有効活用するために必要な仕組みとは何なのかを模索し、『VECTANT SDM』を企画した」と語る。強みは、自社で保有する高品質なインフラを利用してコンテンツが配信できること。コンテンツ配信機能では、1000台以上など多くのデバイスがアクセスしても、「業界最速で配信できる」と、橋口部長は自信をみせる。
ユーザー企業は、必要に応じて「STAGE 1」「STAGE 2」「STAGE 3」「STAGE 4」の4種類からサービスを選択。「STAGE 1」でMDMの基本である管理機能、「STAGE 2」でデバイスの盗難や紛失に備えるセキュリティ機能を提供している。橋口部長は、「STAGE 1は、Android端末を業務に必要なアプリのみに限定したホーム画面に固定できる『法人デスクトップ』が好評だ。STAGE 2のセキュリティ機能では、デバイスがインターネットに接続されていない状況でもローカルワイプ(データ削除)する機能を搭載している。MDMの基本機能だけを利用したい企業は、STAGE 1やSTAGE 2を選ぶことが多い」としている。

複数のファイルをまとめたコンテンツグループとして任意のデバイスに配布することもできるデバイスをセールスツールとして活用
「VECTANT SDM」では、「STAGE 3」でコンテンツ配信を提供していることが他社のMDMサービスにはない機能である。コンテンツ配信機能は、管理コンソールから動画やドキュメントなどを各デバイスへ一括同時配信が可能で、情報を各社員の端末のホーム画面にテロップとして表示させることもできる。また、管理者がコンテンツのアクセス権限を細分化した上で配信も可能。橋口部長は、「ユーザー企業の営業担当者が最新のプレゼン資料や製品カタログを持ち歩くことができるので、ペーパーレス化はもちろん生産性の向上にもつながり、セールスツールとしてデバイスを活用することができる」とアピールする。さらに、「STAGE 4」はAndroid端末を本格的なデジタルサイネージとして運用・管理できることが特徴となる。
ほかにも、丸紅アクセスソリューションズでは「VECTANT SDM」によるスマートデバイス導入・活用を支援する「VECTANT SDMパートナープログラム」を展開している。ディストリビューションパートナーや販売パートナーに加え、アプリケーションパートナー、コンテンツパートナーと協業し、スマートデバイス市場が求める活用環境やコンテンツを整備していく方針。橋口部長は、「ERPや資産管理、オフィス系、地図関連のアプリ開発ベンダーと話を進めている」と、アプリの充実を図っているという。
「スマートデバイスの市場は、256万台といわれている。その10%に導入することを目標としており、着実に実績を重ねているところだ。『VECTANT SDM』は、すでに130社の企業が導入している。各パートナー企業とともに市場の活性化を目指していきたい」と橋口部長。スマートデバイスを管理しながら、最大限に活用することを模索しているユーザー企業にとっては、「VECTANT SDM」は注目のサービスといえるだろう。