フィリップスの液晶ディスプレイが国内市場で大きく伸長している。一番の強みはグローバルでのブランド力だが、そこに独自の流通網と良質なアフターサポートを加えることによって、さらに商品力を高めることに成功した。この戦略が功を奏して、売れ行きは堅調に推移している。この液晶ディスプレイでの経験を生かし、フィリップスブランドとして、新たにデジタルサイネージ市場への参入を果たした。
液晶ディスプレイとデジタルサイネージは、似ているようで大きく異なる。デジタルサイネージは情報提示の手段として使われることが多く、長時間稼働するケースがほとんど。このため、内部に熱がこもり、それが原因で障害を起こしやすいという問題があった。フィリップスのデジタルサイネージは、これを防ぐために、内部温度を適切に管理するヒートマネジメント機能を搭載。さらに長寿命のパーツを採用して、24時間365日の長時間使用に耐えるスペックをもつ。
また、デジタルサイネージの場合、コンテンツを配信するパソコンやメディアプレーヤーに障害が発生し、映像が止まってしまうことがある。フィリップスのデジタルサイネージは、こうした事故を防ぐために、コンテンツ配信元をUSBメモリなどに自動で切り替えて、映像を流し続けるフェイルオーバー機能を採用。こうして、過酷な環境に設置しても安定して稼働し続ける製品が完成した。障害の発生することが少なくなったことで、管理・運用・保守の工数も削減している。
製品は、ボリュームゾーンを狙うスタンダードモデル「E-Line シリーズ」を中心に据え、ハイエンドモデル「V-Line シリーズ」をラインアップ。パネルサイズは、32インチから65インチまでと幅広く揃えた。また、極薄ベゼルのモデルを組み合わせることで、パブリックビューイングにも対応する。
こうしたことから、フィリップスのデジタルサイネージディスプレイは高機能・高信頼・低コストという点が市場に認められてきている。

フィリップスのデジタルサイネージ
「E-Line シリーズ」(上)と「V-Line シリーズ」