法人市場向けのタブレット端末の出荷台数が右肩上がりの増加を続けるなか、既存システムとの連携や、「Microsoft Office」データとの親和性に強みをもつWindows OS搭載のタブレット端末に注目が集まっている。IDCの調べでは、ワールドワイドにおけるタブレット端末のOS別シェアは、Windowsが2013年に19%だったのが、2014年に25%まで拡大していると予測している(※)。iPadやAndroid OS搭載のタブレット端末を導入したものの、機能面やセキュリティに課題があると判断し、最新OSの「Windows 8.1」を搭載したタブレット端末にリプレースする企業も増えている。セキュリティ機能の強化によって、タブレット端末のBYOD(Bring Your Own Device)環境を実現することも導入を後押ししている。

AndroidとiPadが業務利用で課題に
PCと同じOSで使えるWindowsが浮上

 モバイルデバイスの普及がワークスタイルに変革を起こしている。オフィスにいなくても、いつでも、どこでも、モバイルデバイスを使って業務できるようになった。企業でタブレット端末の導入が進む理由として、業務効率の向上、顧客対応の強化、働き方の多様化、ペーパーレス化などがある。

 その一方、タブレット端末の利用には課題も浮上してきていると、日本マイクロソフトの石田圭志・Windows本部Windowsコマーシャルグループエグゼクティブプロダクトマネージャーは指摘する。「タブレット端末を導入しても、ノートPCとの2台もちになってしまったというケースが少なくない。また、Android OS搭載のタブレット端末やiPadを採用した企業は、既存の業務システムやデータとの親和性や、Microsoft Office関連データの互換性、さらにセキュリティなども、タブレット端末を利用する際の課題になっている」と説明する。

 加えて、こうしたタブレット端末の課題をWindows 8.1で解消できるという。「タブレット端末では、PCと同じことができないと考えている方が多い。Windows 8.1は、PCでもタブレット端末でも共通のOSなので、PCと同じように業務システムにアクセスしたり、Microsoft Officeデータを扱ったりすることができる」としている。

多層防御のセキュリティ対策を
実現するWindows 8.1

 Windows 8.1では、セキュリティ機能がさらに強化されていることも特徴だ。浅田恭子・Windows本部Windowsコマーシャルグループエグゼクティブプロダクトマネージャーは、「現在は標的型攻撃によってシステム内に入り込んだマルウェアに対応したり、企業内からのデータの持ち出しを監視したりする対策が必要となる。Windows 8.1はネットワーク層、物理層、アプリケーション層などの領域で多層防御を実現している。Windows XPと比較してみると、Windows 8.1はマルウェアの感染率が21分の1に抑えられている」という。

 社外への持ち出しを前提とするタブレット端末では、盗難や紛失による情報漏えいへの対策が必要となる。浅田エグゼクティブプロダクトマネージャーは、「情報漏えい対策として、シンクライアントを利用するケースもあるが、シンクライアントではできる作業が限られてしまう。業務用デバイスでも、Windowsテクノロジーを活用できるWindows EmbeddedをOSに選ぶことで、シンクライアントとリッチクライアントの両方が使えるハイブリッド型を実現する」としている。

MDSベンダーとのソリューション連携で
さらにセキュリティを強化

 Windows 8.1では、ワーク・フォルダやOpen MDMなどのBYODサポート機能、さらにデバイス暗号化やロックダウン機能によって、ビジネスシーンでのタブレット端末のBYOD環境を容易に、しかもセキュアに構築することを実現する。日本マイクロソフトでは、デバイス管理ツール「System Center」やクラウドベースのPCセキュリティ管理ソリューション「Microsoft Intune」を提供しているが、さらにMDS(モバイルデバイスセキュリティ)の製品・サービスを提供するベンダーと連携しながら、MDM(モバイルデバイス管理)とセキュリティ対策を強化していく。次世代OSの「Windows 10」でも、関連機能が強化されるという。

 モバイルデバイスの活用が広がるなか、MDSの重要性はさらに増していくとみられる。


※ IDC, Worldwide Quarterly Tablet Tracker 2014Q3