Special Issue

パートナーのクラウドビジネス拡大を支援 マーケティングからテクニカルまで幅広い支援メニューを提供

2015/04/16 19:55

週刊BCN 2015年04月13日vol.1575掲載

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、販売パートナー向けの協業プログラム「パートナーソリューションプログラム(PSP)」を2014年9月にリニューアルした。新たなPSPでは、NTT ComのICTサービス群をパートナーのアプリケーションやソリューションに柔軟に組み合わせて提供できるように支援メニューが強化されている。NTT Comのパートナー営業を統括する第五営業本部の楠木健本部長と深川実生担当部長に、PSPリニューアルの狙いとパートナーが享受できるメリットについてうかがった。

エコシステムのさらなる強化を目指し
パートナー支援メニューを拡充

楠木健
第五営業本部長
 NTT Comは、販売パートナー向けに提供している協業プログラムのPSPを2014年9月にリニューアルし、営業支援・トレーニングからテクニカルサポートまで、パートナーのビジネスを強化する多様なサービスプログラムを拡充した。楠木健・第五営業本部長は、「パートナーとのエコシステムをさらに強化するためにリニューアルした。当社は、長年にわたって通信・ネットワークを中心とした事業を手がけてきたが、ビジネスの比重がIaaSやクラウドサービスなどICTインフラ全般に移りつつある。既存のパートナーはもちろん、IaaSやクラウドの分野で新しいパートナーと協業していくために幅広い支援メニューが重要になってきた」と、新プログラム提供の背景を語る。

 新しいPSPでは、従来のプログラムが提供してきたマーケティングサポートに加え、提案ツールや導入事例を提供する「セールスサポート」、提案導入の支援から検証環境を提供する「テクニカルサポート」、営業担当者やSEに向けた勉強会を開催する「トレーニングサポート」、技術者に向けた「情報提供」を新たに追加した。深川実生・第五営業本部営業推進部門担当部長は、「当社の商材は通信からシステム系へ、より上位のレイヤに移行している。おつき合いするパートナーも、ネットワークエンジニアからシステムエンジニアに変わっている。これまでサービスカットで提供していたサービスプログラムを体系化し、ワンストップでお届けするためのリニューアルだ」と、リニューアルに伴うパートナーのメリットを説明する。

パートナーの強みを組み合わせた
クラウドビジネスを推進

深川実生
第五営業本部
営業推進部門
担当部長
 NTT Comは、クラウド戦略を「グローバルクラウドビジョン」として掲げ、「グローバル共通品質かつ堅牢性/信頼性に優れたインフラストラクチャー」や「クラウドシームレスなどの特長を持つ高品質/高信頼なネットワーク」をはじめとする九つの強みを打ち出している。パートナーシップはその一つだ。楠木本部長は、「サービスの柔軟性ときめ細かなサポートにおいて既存のパートナーから高い評価を得ている」と胸を張る。加えて、「当社が大手企業に直接営業をしているというイメージを強く抱いているパートナーも多い。しかし、PSPのリニューアルによって、クラウドにおける当社のパートナリングの“本気度”が徐々に伝わっている印象だ。キラーアプリケーションや業界特化型アプリを扱うSIerなど、当社のICTサービスとパートナーのソリューションの強みを組み合わせて、さまざまな業種や規模のエンドユーザー企業のクラウド化を支援していきたい」との考えを示している。

 現在、PSPのパートナー数は100社に上るが、プログラムのリニューアルを契機に「早い段階で200社まで拡大を目指す」(楠木本部長)という。同時に、プログラムで扱うパッケージ数もさらに拡大していく。

 エンドユーザー企業のクラウド化によって、SIerのなかにはビジネスサイズが小さくなる不安を抱えているパートナーも多い。しかし、深川担当部長は「VPNやMVNOといった、われわれのICTサービスをうまく活用することで、ビジネスサイズを縮小することなくクラウドビジネスに取り組むことも可能だ。NTTコミュニケーションズとの協業をチャンスとして捉え、クラウドビジネスを推進してほしい」と強調する。

 PSPのリニューアルから半年の間で、パートナーに向けたさまざまなイベントを、全国で60回開催してきたというNTT Com。パートナーのビジネスチャンスを拡大するため、今後も協業プログラムを積極的に拡充していくことを計画している。

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