「BCN Conference 2015」において、Arcserve Japanの末吉聡子チャネルマーケティング部長は「わずか3ステップで実現!クラウドを活用した簡単バックアップ運用術」と題して講演した。SMB(中堅・中小企業)のIT管理者を対象としたバックアップ運用の課題調査では、コストに次いで複雑化した環境での運用の煩雑さが挙がる。そうした悩みを解決する手段として、同社の「Arcserve Unified Data Protection(UDP)」とクラウドを活用したバックアップの運用手法とメリット、効果について説明した。

No.1シェアのバックアップソフト

末吉聡子
チャネルマーケティング部長
 講演の冒頭、末吉部長はArcserve Japanがどのような会社なのかを紹介。2014年10月にCA Technologiesから独立して日本法人を設立、このほど1周年を迎えた。日本法人は設立から1年あまりであるが、日本でのビジネスはおよそ20年が経過しているという。主力製品のバックアップ/リカバリソフトであるArcserve UDPは、前年同期比600%の大幅な売上増を達成、1万3000ライセンスを出荷している。末吉部長は、「Arcserve UDPは、国内Windows環境のバックアップソフトで過半数のシェアを14年に渡って維持してきたNo.1製品(ミック経済研究所調べ)」と強調した。

 同社が、SMBのIT管理者を対象にバックアップ運用の課題を調査したところ、「コストがかかりすぎる」がトップで、次いで挙がったのが「バックアップ環境の複雑化で、どうすればいいかわからない」だった。さらに、約半数はクラウドの活用を検討しているという調査結果が出た。

 こうした状況を踏まえて、末吉部長は3ステップで実現するクラウドとArcserveによる災害対策を解説した。

低コストで運用負荷のない「簡単災害対策」

 ステップ1は「簡単災害対策」で、クラウドを活用してオンプレミス環境を保護する方法だ。クラウドの利用で初期費用をゼロにして、利用分のみの課金に抑え、リソースも柔軟に拡張できる。

 具体的には、オンプレミス環境のバックアップデータをクラウド環境にも転送して冗長化するものだが、Arcserve UDPを使用すると、変更ブロックだけをバックアップする継続増分、および保護環境全体の重複排除によってデータ転送量を最小化できる。クラウド課金も抑制できるというコストメリットも出てくる。「あるユーザーのケースでは、24台のVMを対象とした転送で、重複排除により2回目には84%ものデータを削減した」と末吉部長はアピールする。

 また、統合管理用の復旧ポイントサーバー(RPS)がArcserve UDPの特徴の一つだ。重複排除や遠隔転送を担うバックアップデータの格納庫となる。データ転送では、回線帯域、回線障害の影響、さらに業務への影響に不安を抱くユーザーも少なくない。これもオンプレミスとクラウドのRPS間で重複排除されたバックアップデータを確実に転送するため、回線負荷を削減できる。断線があっても、短時間であればリトライで再送し、長い断線時には次回の転送時に未送信データのみを再送する。また、指定した曜日や時間ごとに転送速度を調整できるため、業務への影響がなく転送を行うことができる。

 「復旧の際も、エクスプローラでドラッグ&ドロップするだけで、ファイル単位で簡単にリストアできる。ベアメタル復旧でシステム全体を復旧する際も、異機種やP2Vも標準サポートしており、作業を大幅に削減できる。いずれの機能もすべて標準装備する」と、末吉部長は強調する。

ハイブリッド運用やクラウド移行も容易

 ステップ2は「ハイブリッドクラウドをお手軽バックアップ」。これは、Arcserve UDPの活用によってオンプレミスとクラウド環境を一元管理して、日々の管理工数を削減するというものだ。Arcserve UDPの管理コンソールを使うことによって、ウェブブラウザがあればどこからでも双方の環境にアクセスが可能だ。

 「バックアップもリストアも、オンプレミスと同等の機能を提供し、クラウドVMでも同じ操作性で簡単に設定ができる。もちろん、Windows、Linuxなどの異機種もまとめて一元管理できる。また、運用面では、バックアップ方法などをあらかじめメニュー化する機能も備えている」(末吉部長)。

 ステップ3は「クラウド上でのバックアップ業務の継続」だ。Arcserve UDPなら、オンプレミスからクラウド環境へとシステム環境を移行した後も、オンプレミスと同様にバックアップ運用を継続できる。これは前述したベアメタル復旧を利用する方法で、重複排除によってデータを最小化してクラウドに転送した後、物理環境と同様の手法でクラウド環境上でシステムのベアメタル復旧を実行するのだ。

 末吉部長は、「この手法を使うと、システム全体といった大容量でも短時間で移行できるため、業務サービス停止時間を大幅に短縮して、クラウドへと移行できる」とアピールしている。