Special Issue

ビッグデータ分析特化型のDCが誕生

2016/08/16 19:55

週刊BCN 2016年08月22日vol.1641掲載

 ビッグデータ分析に特化したデータセンター(DC)が2017年10月に竣工する。事業主体のデータドックは、デジタルマーケティングのコンサルティング会社であるメディックスが中心となって、今年4月に設立された。

SIerとマーケティングコンサルの協業点とは?

 DCの建設場所は新潟県の長岡市で、外気と雪冷熱のハイブリッド冷房によって空調コストを抑える。東京から2時間圏内というアクセスのよさも売りだ。スペック面では、1ラックあたり最大30kVAの電力を供給する。基本契約が6kVAで、3kVA単位で無停止での追加が可能となっている。さらに、データドック特別仕様のラックを準備し、4分の1ラックからフルラックへ、同一ラック内での拡張が可能だ。

 宇佐美浩一社長兼CEOは、「自社で建設して保有するDCなので、こうした柔軟なメニュー構成を採用できる」と、クラウド時代のDCに求められるユーザー本位のサービス企画・開発に強い意欲を示す。

 床耐荷重は1㎡あたり3トンで、集積度の高いIT機器を設置できるように考慮している。加えて、大手町(東京都千代田区)と新潟・長岡DCを結ぶバックボーンの帯域として100Gbpsを確保した。

 データドックのサービスの強みは、ハウジングに代表されるデータの生成、蓄積、保護、再活用などを行うインフラ領域のサービスに加え、データの分析・活用を行うアナリティクス領域のサービスが存在する点だ。データを守るインフラサービスと、データで攻めるアナリティクスサービスの双方をラインアップすることで、ユーザー企業の事業部門とIT部門の連携を強力にサポートしている。

 SIerは、自社のサービスにデータドックのサービスを取り入れてソリューションとして提案することで、ITによる顧客の業務効率化・最適化ニーズを満たしながら、データの利活用による売り上げの向上に貢献することが可能となる。

 メディックスがデータドックを設立し、高規格DCをつくろうと判断したのは、デジタルマーケティング事業の拡大が目的。ユーザー企業に最適なサービスを提供するためには、コンピュータの演算能力を駆使した「アドテクノロジー(広告配信技術)」の活用が欠かせず、IoT/ビッグデータ分析が必須となる。今後、AIの活用なども考えると、マシンパワーへの需要はますます拡大すると、強く感じ取っていたことが背景にあげられる。

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外部リンク

データドック=https://www.datadock.co.jp/