世界190か国でサービスを展開するアマゾン ウェブ サービス(AWS)のAPNパートナーである富士ソフトは、日本での豊富な導入実績をもとに、中国でもさまざまなシステムのAWSの導入や移行においてアプリケーション開発からインフラ構築、保守運用までワンストップで提供している。AWSを単なるインフラとしてだけではなく、IoTや業務改善をキーワードにAWSを活用したアプリケーションも手がけている。

低コスト・短期導入が魅力 中国でも利用が可能なAWS

富士ソフト中国
山角正範
グローバルビジネス
推進部部長
 日本本社がAWSを利用しているという日系の中国法人は多い。しかし、中国でも同様にAWSが商用版のサービスとして活用できることを知る日系企業はまだ少ないのではないだろうか。「中国ではITシステムの専任担当者がいないケースや情報システム部門の人的なリソースが日本本社に比べて少ないところが多く、インフラ構築で新しいハードを自社で購入するのは導入・運用コストの負荷が大きく、システム構築そのものを断念することも少なくない」と富士ソフト中国の山角正範グローバルビジネス推進部部長は日系企業のシステム構築における一つの傾向を説明する。

 AWSのクラウドサービスは、将来を見据えた機材購入のコストが不要で実際の初期スタート利用分のみ費用が発生する仕組みのため、初期投資を大幅に抑えることができる。サーバーなどインフラを調達する必要がなく、短期間で導入できるうえ、拡張や縮小が迅速に行えるため、当初はスモールスタートで運用しながら事業の成長に合わせて余剰リソースを抱えることなく柔軟に対応することが可能だ。欧米系や日系メーカーのハードの調達コストが日本に比べると高い中国では、クラウドを活用するコストメリットが十分にある。

 また、セキュリティに関しても数々の第三者認証をクリアする強固なプラットフォームとして、オンプレミスで構築したインフラに自前でセキュリティ対策を講じるコストや運用負荷も削減できる。クラウドでいえば、アリババの阿里雲など中国国産のサービスも数多くあるが、グローバルで実績が豊富なAWSは日本本社のコンセンサスを得るうえでも日系企業の有力な選択肢になるだろう。

単にインフラとしてでなく IoTやアプリケーションも

NTTデータ
イントラマート上海
七島泰介
営業部部長
 同社ではAWSを単なるITインフラとしてではなく、日系企業の要望に合わせたアプリケーションなどを合わせて活用するメニューを展開している。その一つが「IoTプラットフォーム」だ。AWS上にNTTデータ イントラマートの業務アプリケーション開発プラットフォーム「intra-mart」を実装し、業務プロセス管理の機能を用いてセンサから集めたデータをもとに業務プロセスを自動的に回していく仕組みを提供する。

 NTTデータ イントラマート上海の七島泰介・営業部部長は、「これまで人が判断してアクションしてきた業務プロセスをIoTによって自動化できる。とくに、中国の日系企業にとって可視化されたデータを判断する人材を置くこと自体が大きなコスト負担。intra-martとIoTを組み合わせて業務プロセスから属人的な要素を極力排し、現地スタッフが判断せず実行できる定型業務に落とす仕組みが実現できる」と説明する。

 そして、もう一つのメニュー「ICTプラットフォーム」では、同様にintra-martをシステムプラットフォームとして、日系企業のニーズに合わせて簡単にアプリケーションを開発する。第一弾としてプロシップの固定資産管理ソリューション「Pro Plus」と現物資産管理ソリューション「Pro Plus Pit」、intra-martの購買管理システムを組み合わせたテンプレートがある。

プロシップ上海
豊田英文
副総経理
 プロシップ上海の豊田英文・副総経理は、「購買システムを利用する日系企業でも支払いまでの情報は管理しているが、自社の資産になった後の管理が疎かになっているケースが目立つ。購入後に現物資産として一つひとつを識別できるように資産台帳で管理し、判断の裏付けとなる“今を知る”仕組みが重要だ」と強調する。

 プロシップ上海のPro Plusシリーズでは、購入した資産に一つひとつ採番して資産台帳として管理。資産を識別するラベルを発行しバーコードやRFIDによる自動認識で現物管理まで実現する。中国では発票が支払い業務を実行するエビデンスとなり、実際に購入物の検収が行われていない状態で支払い処理が進められるケースも多いが、購買システムと連携したPro Plusでの資産登録を検収条件にすることで、キャッシュの出入りと現物資産の出入りを厳格に管理できるという。