特別講演では、九嶋俊一・執行役員・パーソナルシステムズ事業本部長兼サービス・ソリューション事業本部長が登壇し、「企業の生産性を高めるOffice of The Future~資産の遊休リソースを使いきる“現実的IoT”でスマートオフィス化を目指す試み~」をテーマに、オフィスのなかにある使われていない資産を現実的IoTとして利用する方法を解説した。

急速な都市化が進みイノベーションが生まれる

 九嶋執行役員は講演の冒頭、スマートオフィス化を目指す試みとして「メガトレンドとスマートオフィス」「HP Office of The Future」「エンドポイントセキュリティ」の三つのポイントを挙げた。
 
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九嶋俊一
執行役員
パーソナルシステムズ事業本部長兼
サービス・ソリューション事業本部長

 まず、HPが描くメガトレンドからみえる将来の姿は「急速な都市化」「人口動態の変化」「超グローバル化」「イノベーションの加速」が進むという。「2030年には都市部に集中して新しいサービスやビジネスが生まれるようになり、人口も増加する。約50億人が都市部に居住するようになる」と九嶋執行役員は話す。さらに、「人口動態の変化により、高齢化がますます進み、それにより労働力が不足する。ビジネスの境界がなくなり、超グローバル化が起こる。イノベーションは予想通り進化する一方で、想像を超えた進化も起こる」と予想した。

 HPはこうした未来を見据え、デジタル世界と物理世界をシームレスに融合させるため、「製造の変革(3D/4D)」「体験の変革(AR/VRなどのユーザーエクスペリエンス)」「ビジネスの変革(ハイパーモビリティ)、」「サービスの変革(IoT)」「労働の変革(スマートマシン)」の五つの技術分野に積極的に投資を行っている。このなかでとくに注目すべきは「センサ(IoT)」と九嶋執行役員は強調する。

 IT化が進んでいる今、人は多くのデバイスに囲まれている。例えば、スマートフォン、PC、オフィスのプリンタなどはセンサを搭載している。「こうしたセンサを活用して、サービスに応用する。これがサービスのトランスフォーメーションンだ」と、サイバー大学の勝教授の講演に絡めて説明。オフィスのスマート化を進めることで労働のトランスフォーメーションに取り組むとした。

変化する働く環境
課題を解決するテクノロジー群

 働き方改革が叫ばれる今、仕事を取り巻く環境は変化している。「労働力」、つまり働く人は、2020年には半数がインターネットに慣れ親しんだミレニアル世代になり、「働く場所」では、すでに世界の労働者の62%がオフィスに縛られず複数の場所で働いている。こうした働く人、働く場所の変化により、「働き方」も変わっていき、一人で作業をする時間が減り、コラボレーションをする時間が増えていくようになる。

 こうした変化する働き方に合わせ、描かれたオフィスの青写真、「Office of The Future」を実現するため、HPはさまざまなテクノロジーの開発に取り組んでいる。

 サテライトオフィスや在宅勤務など、オフィス以外で働く機会が増えると、コラボレーション手段はビデオ会議が主流を占めるようになる。この時、より設定の時間や手間のかからない簡単なコラボレーション方法が求められる。HPは、会議に参加するまでの時間や手間をかけないよう、「Skype for Business」に特化した専用ボタンをPCに搭載。ボタン一つですぐに会議に接続し、利用できる。また、品質の高い通話を実現するため、ハードウェア、ソフトウェアの両方でノイズをカットすることで、快適な会議を実現する。

 また、ほとんどの人がもっているスマートフォンを軸にして開発したのが、PC管理用のソリューションの「HP WorkWise」だ。スマートフォンを識別IDやセンサとして活用するソリューションで、スマートフォンとの距離情報により画面のロック/アンロックを行う。

 このほか、一風変わったところで、オープンスペースでも周囲の視線を遮断し、作業に集中できる曲面ディスプレイや、集中しやすい環境を仮想的につくり出すヘッドマウントディスプレイなども紹介した。

 こうしたHPの独自のテクノロジー群が、働き方の変化により生じる課題を解決できる、とした。

働き方の変化とともに
仕事場がぜい弱になる

 働き方改革とともに、オフィスに縛られない働き方が普及していく。社外の共有スペースや、移動中の新幹線・飛行機のなかなどでも、シームレスに働けるようになる。そうなるとセキュリティのぜい弱性が次の課題となる。

 先述のスマートフォンを使った「HP WorkWise」もこのセキュリティ対策として活用できる。さらに、新幹線・飛行機での対策として、液晶画面の盗み見による情報漏えいを防ぐプライバシーフィルタ機能「HP Sure View」も用意した。キーでオン/オフを切り替えることができ、左右45度から見たPCのスクリーンを白濁させることができる。

 九嶋執行役員は「こうした製品はオフィスのなかの環境、働き方を改善するためのソリューション。組み合わせて応用することで、いろいろな形のスマートオフィス化が推進できるのでは、と考えている」と語った。