経済産業省の河野孝史・商務情報政策局情報経済課課長補佐は、「Connected Industriesの実現に向けた経済産業省の取組について」と題して講演した。

河野孝史
商務情報政策局 情報経済課
課長補佐(総括)

 Connected Industriesとは、今年3月、ドイツで開催されたCeBIT(世界最大級のコンピュータエキスポ)で、安倍晋三首相、世耕弘成経済産業大臣から提言されたコンセプト。データを介して、人、モノ、技術、機械などが企業、産業、世代を越えてつながることで、新たな付加価値や製品・サービスを創出し、生産性を向上させるというものだ。

 高齢化や人手不足、環境などの社会課題を解決するとともに、日本の産業競争力の強化につなげることで、国民生活や経済の発展に寄与する。これによって、日本政府は「Society 5.0(超スマート社会)」の実現を目指している。

 「Connected Industriesは、経産省の平成30年度の最重点政策の一つ。その実現に向けて、人工知能(AI)やIoTなどを最大限に活用した革新的な産業モデルの創出と展開を支援し、それらの基盤となるさまざまなデータの流通・利活用環境の整備も進めている」と、河野課長補佐は語ったうえで具体的な政策を紹介した。

 産業モデルの創出に関しては、総務省とともにIoTコンソーシアムが進める官民連携体制の構築を支援している。その分科会のIoT推進ラボでは、ビジネスモデルや連携の例を表彰する選考会議を、これまでに3回実施した。選考されたプロジェクトを中心に、大企業や海外との連携も進んでいる。

 河野課長補佐は、「今後は、個々のプロジェクト支援に終わらせず面的な展開とするため、関係省庁も含め、分野横断的かつ継続的なサイクルの構築を目指す」としている。

 データ活用の環境整備では、現状の課題を「世の中が個人情報の保護などに過敏になるなかで、事業者のデータの利活用が委縮している。また、事業者のデータの過剰な囲い込みもある」と指摘。この状況を打破するには、「戦略的オープン構造」が重要とし、個人、産業、公共の各分野におけるデータ利活用の制度整備の全体像を示した。

 すでに、データ活用の整備ではカメラ画像利活用ガイドブックやデータ流通プラットフォーム間の連携を実現するための基本事項、データオーナーシップの取り扱いを明確にするための契約ガイドラインを策定し、公表しているとした。