アルプス システム インテグレーション(ALSI)は、ファイル自動暗号化ソフト「InterSafe IRM」の後継製品「InterSafe FileProtection」を9月25日に発売する予定だ。新製品は、従来のドライバを刷新し、新しいアーキテクチャの暗号化エンジンを搭載。高速化や大規模ストレージ、資産管理製品との親和性を向上させるなど、大きな進化を遂げた。「幅広い環境に対応し、利便性の高いセキュリティ対策が実現できる製品」として打ち出していく考えだ。

「継続」と「進化」がキーワード

鳥山直樹
セキュリティ事業部
プロダクト技術部
ILPプロダクト技術課
プロダクトマネージャー
 ALSIでは、InterSafe IRMの前製品である「DocumentSecurity」の取り扱いを始めた2003年に、ファイル暗号化ソリューションの提供をスタート。12年1月からは自社開発したドライバ方式の暗号化を採用したInterSafe IRMを提供してきた。

 InterSafe IRMは、「ユーザーが意識せずに自動で暗号化できる」「アクセス権限に応じた暗号化/復号化によりパスワード管理が不要」「暗号化したままウイルススキャンができる」「幅広いアプリケーションの暗号化に対応する」などの特長がある。これまで官公庁、自治体をはじめ、IT企業、金融機関、クレジット会社といったデータ保護に敏感な業界・分野を中心に、多くのユーザーに採用されてきた。

 最近では、モバイル端末の普及により人々の働き方が多様化している。ファイルを扱う端末もWindows PCに加えて、iOS/Androidを搭載するスマートデバイスが一気に増加。また、仮想環境や大規模ストレージなどIT環境もさまざまで、それらを管理する資産管理ソフトや統合ログ管理ツールが浸透してきている。

 「ファイル暗号化ソフトにも、こうした多様化する環境への対応が強く求められていた」と鳥山直樹・セキュリティ事業部プロダクト技術部ILPプロダクト技術課プロダクトマネージャーは新製品開発の背景を説明。「そこで新製品のキーワードとしたのが『継続』と『進化』だった」という。
 
 
 

暗号化処理速度が2倍に大幅向上

 新製品のInterSafe FileProtectionは、InterSafe IRMの特長を踏襲しながら多様なプラットフォーム(OSやファイルシステム)に対応するため、ドライバを刷新して新たなアーキテクチャの暗号化エンジンを自社開発して搭載した。これにより、Windows以外の環境にも対応が可能となり、かねてより定評のあった、普段のファイル操作性を損なわない自動暗号化やアクセス管理はそのままに、大規模ストレージや各種セキュリティ製品の導入環境でも暗号化ファイルの利用を実現している。

 大規模ストレージへの対応では、「NetApp ONTAP」と「EMC Isilon OneFS」について動作確認済み。資産管理/総合ログ管理製品では、エムオーテックスの「LanScope Cat」、ソリトンシステムズの「InfoTrace」「Zerona」、ラネクシーの「MylogStar」などで動作確認済みだ。

 「見た目は今までと大きくは変わらないが、中身は全くの別物。次世代製品として生まれ変わった。お客様の既存環境に大きな影響を及ぼすことなく、セキュリティ製品導入環境において暗号化ファイルの利用を実現できるようになっている。SBC(サーバーベースコンピューティング)方式の仮想環境、各種ストレージ、セキュリティ製品など、どこでも利用できるファイル暗号化製品を追求していく」と鳥山プロダクトマネージャーは力を込める。

 目玉となる新たな暗号化エンジンは、Windowsの機構を利用せず、独自のフィルターモジュール内で、オリジナル/暗号ファイルデータを分離して管理・処理を行うことでマルチプラットフォームを実現した。今後は、Linux、iOS、Androidへの対応を検討、調査を進めている。

 暗号化ファイルの内部形式はWindows標準のLFS形式から独自形式に変更。暗号化後の内部処理がシンプルになり、パフォーマンスも向上した。鳥山プロダクトマネージャーは「暗号化処理は従来の2倍以上に高速化している。構造上、オープンソースやモバイル環境など幅広い環境に対応できるので、さらに利便性を高めたセキュリティ対策が可能になる」とメリットを語る。

 また、従来の機能も強化している。ファイルのアクセス制御について編集(保存)制御機能を追加。さらに、管理者が自動暗号化フォルダの利用ログを管理画面で確認できるようになった。このほか、特定フォルダなどの指定領域に対して暗号化を行わないようにする設定も可能になった。

 同時に、InterSafe FileProtectionを含む情報漏えい対策の統合ソリューション「InterSafe ILP」もバージョンアップ。「v6.0」で管理コンソールの「InterSafe Manager」を大幅刷新した。フラットかつシンプルな画面デザインの採用で、より直感的な操作が行えるようになり、パフォーマンスも大きく向上している。

 鳥山プロダクトマネージャーは「InterSafe FileProtectionの投入で2桁増の販売を目指す。さらに、お客様の利便性を高めるため、外部パートナーの方々と組んで異なるネットワーク間でのシームレスな暗号化を実現していきたい」と抱負を語る。