大企業や政府機関を中心に総合セキュリティー対策製品を提供し、実績を積み上げてきたファイア・アイ。同社は新たな戦略として、中堅・中小規模の企業向け市場にもサービスを展開し始めている。背景にあるのは、サイバー攻撃のターゲットの拡大。弱いところを攻撃して、突破口を開こうというのが攻撃者の狙いだ。ただし、大企業を中心に事業を展開してきたファイア・アイにとって、全国を網羅するような営業展開は容易ではない。そこで新たにタッグを組んだのが、SB C&Sである。両社に市場動向やサービス展開の方向性などについて聞いた。

ファイア・アイとSB C&Sのタッグで全国の企業を最新の脅威から守る!

攻撃のターゲットが
中堅・中小企業へと変化


――サンドボックスメーカーとしてスタートしたファイア・アイは、その後のラインアップ強化により、サイバー攻撃対策をワンストップで提供する総合セキュリティーベンダーとして、大企業や政府機関を中心に事業を展開してきました。このタイミングで中堅・中小企業向けに注力するのはなぜでしょうか。

中山(ファイア・アイ) 多くのサイバー攻撃は、これまで大企業や政府機関をターゲットとしていました。国家主導のサイバー攻撃はその典型例で、大きな脅威となっています。当社が大企業や政府機関向けにセキュリティー製品を展開してきたのは、そうした背景があります。ところが、サイバー攻撃のターゲットは中堅・中小企業へと変わりつつあります。大企業ではセキュリティー対策の専任部隊を用意するなど、すでに防御ができていて、攻撃するのが容易ではありません。そのため、大企業の取引先やグループ企業を踏み台にして、本丸である大手企業を攻撃するという手口に変わってきているのです。ここで重要なのは、攻撃者を考慮すると、中堅・中小企業においても大企業と同等のセキュリティー対策が必要ということです。
 
ファイア・アイ
専務執行役員
パートナー営業本部長
中山泰宏氏


――中堅・中小企業向けとなると、価格を下げる必要が出てきます。そこはどのように対応されますか。

中山 クラウドサービス化とサブスクリプションモデルの採用、ライセンス体系の見直しなどにより、中堅・中小企業にも導入しやすくします。セキュリティー対策としては、妥協せず、大企業向けと同等のものを提供しました。

 当社は現在、ネットワークセキュリティー製品「FireEye Network Security」、Eメールセキュリティー製品「FireEye Email Security」、エンドポイントセキュリティー製品「FireEye Endpoint Security」の3製品を中心にワンストップで大企業のニーズに応えるセキュリティーソリューションを提供しています。中堅・中小企業においても、こうした実績が十分に生きると考えています。
 


Office 365ユーザー向けに
診断サービスを無償で提供


――中堅・中小企業に展開するに当たり、SB C&Sを新たなディストリビューターとして迎えたわけですが、どのようなことを期待しますか。

中山 当社のこれまでの行動範囲は、大都市圏に限られていました。全国展開するに当たっての知見がありません。SB C&Sは全国に流通網を持っていますから、その力を借りたいと思っています。

――SB C&Sとしては、ファイア・アイ製品にどのようなニーズを感じていますか。

守谷(SB C&S) 中堅・中小企業においても、セキュリティー対策の重要性に対する認識は年々深まっています。中堅・中小企業だからといって、セキュリティー対策が簡易なものでいいとはならない。その点、ファイア・アイ製品は大企業で豊富な実績がありますから、それを中堅・中小企業でも享受できるというのは大きなアドバンテージになると考えています。
 
SB C&S
ICT事業本部 MD本部
副本部長
守谷克己氏

荒川(SB C&S) ただ、誰でも簡単に扱えるわけではありませんから、セミナーなどを実施して、技術者を育成していくことを考えています。当社にも技術部隊がありますから、まずは社内のエンジニアをしっかり育成し、そのノウハウをパートナーに展開していきたいと思います。

――ファイア・アイ製品の強みは、どこにあるとお考えですか。

守谷 検知技術はもちろんですが、セキュリティーコンサルタントの専門的知見や、攻撃者グループに関するインテリジェンスを持っているところです。それらが製品に反映されていて、その効果は攻撃の検知実績として証明されています。
 
SB C&S
ICT事業本部 MD本部
技術統括部
統括部長
荒川直樹氏

荒川 ファイア・アイは、「FireEye Helix」というセキュリティー対策を運用するためのプラットフォームを提供しています。他社製品の運用管理にも対応していることから、何らかのセキュリティー製品を活用しているユーザーでも、不足している部分にファイア・アイ製品を導入し、統合的に運用することが可能です。ユーザーへの提案では、そこも重要なアピールポイントだと考えています。

――今後の展開を教えてください。

中山 まずは大企業向けというブランドイメージを変えたい。そのために、セミナーなどを積極的に実施していきます。また、ファイア・アイ製品の性能を知っていただくために、Eメールの診断サービス「FireProof Eメール診断サービス for Office 365」を無償で実施します。診断結果を見たユーザーは、「こんなに攻撃されているのか」と必ず驚かれます。これらの施策を実施しつつ、パートナー企業とともに着実に市場を開拓していきたいと考えています。