2019年5月7日から9日までの3日間にわたって米国・アナハイムで開催されたニュータニックスのプライベートイベント「Nutanix .NEXT Conference 2019」。多くのパートナー企業やユーザー企業などが集まって盛況のうちに幕を閉じた。他社に先駆けてHCI(ハイパーコンバージドインフラ)を市場に投入、新しいインフラの形を創り上げたニュータニックスは、創立10周年を迎えた。イベントで、どのようなビジョンを語り、どのような製品やサービスを発表したのか。ニュータニックス・ジャパンとネットワールドのキーマンが振り返る。

まずは過去10年を振り返る

――「Nutanix .NEXT Conference 2019」はいかがでしたか。今回は、創立10周年という節目の年に開催したイベントでしたね。

島崎 5月7日から9日までの3日間にわたって開催し、7日が「Day 0」としてパートナー様に向けて、8日と9日がお客様など一般向けのイベントという位置付けでした。本格的な初日にあたる8日に開催されたオープニングセッションでは、米本社CEOのディラージ・パンディが登壇しました。例年は将来的なビジョンを話すのですが、今回は節目の年ということもあり、過去10年を振り返る内容でした。
 
ニュータニックス・ジャパン
島崎聡史
ソフトウェアテクノロジーセンター
テクニカルエバンジェリスト


製品全般を担当し、技術者支援、セミナー講演、コミュニティなどを手掛ける


――どんなことを振り返ったのですか。

島崎 ニュータニックスは2009年に設立、2011年に製品を出荷してHCIを提唱しました。独自開発したHCI制御ソフト「AOS(Acropolis OS)」を核に、サーバーとストレージの統合からスタートした会社ですが、データセンター内に存在する多様なデータ、多様なアプリケーションへ対応するための機能拡張・製品開発を進めてきました。最近ではハイブリッドクラウド・マルチクラウドも想定した製品やサービスの展開も進めていることを説明しました。

改めて「インビジブル」を垣間見る

――ネットワールドもイベントに参加しましたが、パートナーとして、どのように感じましたか。

高田 今回のニュータニックスのイベントは、ビジョンがはっきりとしていました。「データ」「デザイン」「デリバリー」の三つの「D」に力を入れていることなどを含めて、ニュータニックスの新しいテクノロジーがこれからの社会にリンクしていく、そんな印象を受けました。また、「SDDC(ソフトウェア・ディファインド・データ・センター)」という概念が「SDDC(セルフ・ドライビング・データ・センター)」として、自動化から自律化へと進化するという話もインパクトがありました。ニュータニックスは、HCIを軸に高度な技術をお客様が簡単に使えるように提供している。今回のイベントで、「インビジブル」(見る必要・意識する必要がないくらい簡単にする)というコンセプトをさらに見せつけてくれた気がします。
 
ネットワールド
高田 悟
ストラテジックプロダクツ営業部SP1課
次長


ニュータニックス製品全般の主幹業務に従事。セミナー支援などにも携わっている

海野 技術者の立場からすると、2年前に「Xi Services」を発表し、クラウドサービスとの連携を含めてどのように実現されていくか注目していたのですが、今回のイベントで具現化されたと感じています。オンプレミスのNutanixとパブリッククラウドをシームレスに利用するためのストーリーが示され、製品レベルでの対応もより強化されたといえます。

島崎 今、ニュータニックスは「コア」「エッセンシャルズ」「エンタープライズ」という三つのカテゴリーに力を注いでいます。コアは、HCIのコンポーネントとなるもの。エッセンシャルズは、HCIに付加価値を付けるもの。エンタープライズは、将来へ向けてより高度な課題に取り組むためのものです。これをベースに、新しい製品やサービスを説明しました。

さらに選択肢が増える

――クラウド関連の発表もありましたね。

海野 ディストリビューターの立場から見て驚いたのは、一般的に「自社のオンプレミス製品をクラウドに対応させる」話が多い中、ニュータニックスは「オンプレミスとクラウドの行き来をしやすくする」「クラウドの考え方やそれに基づくサービスをオンプレミスにも提供する」という点です。AWS上に展開したインスタンスをオンプレミスにそのまま移行する「Nutanix Move」はそれを実現すると感じました。
 
ネットワールド
海野 航
SI技術本部ソリューションアーキテクト課
主任


ニュータニックスの新機能やサービスを検証。サービスの立ち上げなどにも従事する

島崎 当社は、お客様がオンプレミスでもクラウドでも、目的や状況に照らし合わせて合理的な方を使っていただくべき、というスタンスなんです。お客様の多くは、クラウドにデータを移行すると元に戻せなくなるということが障壁で、クラウドに抵抗感を抱いてしまう。また、クラウドを使い続けていると、コストがかさむことにも頭を悩ませています。データの置き場所を気にせず、しかもコストを抑える。これは、コスト管理できる「Nutanix Xi Beam(Beam)」で解決します。Beamは、クラウドのさまざまな設定項目に対するセキュリティコンプライアンスをチェックし、改善方法の提示を行う機能も提供しているSaaSなのですが、オンプレミスもチェック対象とすることを発表しました。

高田 Moveは、真のハイブリッド環境を構成するものとして、とても期待しています。多くのベンダーが「ハイブリッド」という言葉を使っていますが、ニュータニックスが今回のイベントで世界観を持ってはっきりと示していることが改めて分かりましたね。

島崎 オンプレミスでもハイブリッドクラウドでも、より生産的な業務に集中するためにはインフラを自律化させることが重要となります。自律化を実現するためには、「シンプル」「セキュア」「インテリジェント」であること。この三つを組み合わせて提供しているのがニュータニックスなんです。これまでは、低いレイヤーの製品やサービスを提供するベンダーと思われていました。今は、クラウドとの連携を含めて高いレイヤーもカバーしている。イベントでは、それを来場者の方々に訴えることができたといえます。
 
ニュータニックス・ジャパン
篠木隆一郎
マーケティング統括本部 パートナーマーケティング部
部長


パートナー企業への支援に携わる。セミナーやイベントなども担当

篠木 そのほか、サーバーベンダーとのグローバル・パートナーシップを発表するなど、さまざまなベンダーに対応し、パートナー様とお客様にとって選択肢が増えたこともトピックスでした。(次号に続く)