ニュータニックス・ジャパンは、同社最大の年次イベント「.NEXT Japan 2019」を東京都港区のザ・プリンスパークタワー東京で9月13日に開催した。今回で5回目を迎えるイベントには、米国本社の幹部も来日。ビジョンや戦略、最新の技術動向、製品ロードマップなどを紹介した。エコシステムを構成する各パートナーによる多くのセッション、ソリューション展示もあり、会場は多くの来場者で熱気に包まれていた。

(写真左から)ニュータニックス・ジャパン 町田栄作コーポレートバイスプレジデント兼社長、
米ニュータニックス ディラージ・パンディ代表取締役会長兼CEO、
ラジブ・ミラニ最高技術責任者

企業のビジネスを成功に導く
「3つのD」

 まず、開催の挨拶に立ったニュータニックス・ジャパンの町田栄作社長は、「『.NEXT Japan 2019』では、ディスラプション(創造的破壊)を掲げて、今までの当たり前を破壊し、新しい当たり前を創造していくことを提唱したい。2025年の崖問題が叫ばれる中で企業が抱えるIT課題を解消するには、この創造的破壊が欠かせない」と語った。

 基調講演では、米ニュータニックスの創立者であるディラージ・パンディ会長兼CEOが登壇。「成功への鍵となった3つの“D”」をテーマに、成長の過程を振り返りながらクラウドの革新とテクノロジーの将来を交えて説明した。

 ニュータニックスは、09年にコンピュートとサーバーを統合したHCIアプライアンスを開発。刷新を繰り返してビジネスを成長させてきたが、この成長のカギが「データ、デザイン、デリバリーの“3つのD”」という。

 この3つのDをキーに、創業から10年間の成長の過程を辿った。09年から12年、HCIアプライアンス、ソフトウェアディファインドの基盤「AOS(Acropolis OS)」、管理コンソール「Prism」を提供。12年から15年、ディザスタリカバリー、データ保護、クラスタリング機能を拡張したほか、AOSとPrismを引き続き刷新して、ワンクリックで構成可能なHCIを実現した。15年から18年には、SDNの「Flow」、アプリケーションライフサイクル管理とクラウドオーケストレーション「Calm」など、ソフトのラインアップを拡充し、データセンター内に存在する多様なデータ、多様なアプリケーションへ対応するための機能拡張・製品開発を進めてきた。

 そして、18年から19年にクラウド上でHCIを実現する新サービスとして、ハイブリッドクラウドをインビジブルにするソリューション「Nutanix Xi Services」を発表。ハイブリッドクラウド・マルチクラウドを想定した製品やサービス開発が現在も進む。

 Nutanix Xi Servicesは、クラスタサービスの「Xi Clusters」、DRaaSサービスの「Xi Leap」、DaaSサービス「Xi Frame」、IoTプラットフォーム「Xi IoT」、マルチクラウド最適化サービス「Xi Beam」、DRの「Xi Leap」をラインアップする。Xi Leapを使用すると、専用のDRサイトが不要で、ワンクリックでフェイルオーバーやフェイルバック、検証が可能。デモを交えた紹介では、DRも他社の複雑な構成では140ステップも必要な操作が14ステップにまでシンプルにできたという。日本でのサービス開始は、20年を予定している。

 パンディCEOは、「コンピューティングをあらゆる場所でインビジブルにするには、エッジでのDXの実現が重要」という。その具体例として、東京エレクトロンデバイスによる「インダストリー4.0ソリューション」の取り組みで、生産設備の監視と予兆検知を可能ににする「CX-M」ソリューションをXi IoTのXi Edgeへと移植した事例を紹介した。

企業のDX実現をサポートする
Nutanixの最新テクノロジー

 基調講演の後半では、ラジブ・ミラニ最高技術責任者が登壇し「企業のクラウドジャーニーの勘所 - Nutanixのビジョンと最新テクノロジー」と題して、企業のDXを支援するクラウドジャーニーに関するビジョンを説明。「企業のコンピューティングをインビジブルにするため、多くの製品を開発し、インフラからデータセンター、クラウドまでをインビジブル化すべく取り組みを進めてきた」と語った。

 製品開発では、「対応するワークロードを拡大する」「提供する価値を高める」の2軸で、クラウドでのエクスペリエンスを最大化することを目指している。企業のDX実現には「HCIからプライベートクラウド、マルチクラウドへと至るクラウドジャーニーが不可欠であるため、イノベーションを継続している」と強調した。

 HCI領域では、HPEと富士通とのグローバルパートナーシップを締結して新たなサーバープラットフォームを拡大。ミッションクリティカルなワークロード向けにAES(自律エクステントストア)の採用で、最大2倍の性能改善を実現、HCIプラットフォームとしては初めて本番環境向けのSAP HANA認証を取得した。

 プライベートクラウド領域では、DB管理をシンプル化する「Era」、非構造化データ対応で、ファイルサービスをワンクリックでスケールアウトできる「Files」、S3互換のオブジェクトストレージ「Objects」、Kubernetesの展開と運用・管理をシンプル化する「Karbon」、ワンクリック操作対応のセカンダリストレージ「Mine」を紹介。Filesに搭載された分析ツール「File Analytics」と「Mine」のデモも行った。

 今後は、データセンターも自動車の進化と同様に、自動化から自律化へと移行していくと指摘。その実現に向け、コンプライアンス管理サービス「Xi Beam」のプライベートクラウドへの対応、SDN製品「Flow」のActive Directory連携、インフラ運用を最適化する「Prism Pro」の拡張機能、運用自動化機能「X-Play」などを紹介した。

 最後に、ニュータニックスの島崎聡史・テクニカルエバンジェリストが、マルチクラウド領域に向けた最新ソリューション「Xi Clusters」の概要を解説した。Xi Clustersは、AWSベアメタルサーバー上でオンプレミスと同等のHCIクラスタを実行でき、オンプレミスで構築したHCIクラスタをAWSベアメタルサーバーに移行することも可能と語った。

 イベントには、元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹氏、IT企業役員・お笑い芸人の厚切りジェイソン氏がゲストとして講演、会場を大いに盛り上げていた。
 
ITインフラ基盤・ハイパーコンバージドインフラストラクチャーに関するアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_infra