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ひとり情シスの悩みを解決できる「Express5800 WSUS導入セット」

2019/11/14 09:00

週刊BCN 2019年11月11日vol.1800掲載

 Windows 7 サポート終了に伴い、Windows 10 PCへの移行が加速中だ。NECでは、このPC移行需要に対応するため、働き方改革を支援するモバイルPCをリリース。一方、システム管理者にとっては、Windows 10 の特長である年2回の機能更新と毎月の品質更新プログラムによる負担増が懸念される。こうした課題を受けて、WSUS導入作業を簡略化できる「Express5800 WSUS導入セット」の提供を開始した。

Windows 10の更新制御には
WSUSサーバーの利用が定石

 「Windows 7からWindows 10に移行すると、更新プログラムの運用管理に予想外の工数が発生する可能性がある」。NECの下平康介・プラットフォームソリューション事業部マネージャーは、こう警鐘を鳴らす。
 
下平康介
プラットフォーム ソリューション事業部 マネージャー

 更新用のサービスパック(SP)を散発的に提供していたWindows 7と違って、“Windows as a Service”を標榜するWindows 10では1年に2回、大型の機能更新プログラム(Feature Updates)が提供されている。

 企業にとっての問題は、これらの更新プログラムをそのまま単純に適用してしまうと、「周辺機器用のドライバーが未対応」などの理由で業務に支障が生じる場合があること。トラブルの発生によってシステム管理者の手間が増えるのを防ぐには、PCへの配布と適用を企業側で制御する必要がある。

 多数のPCを導入している企業では、自身で構築・設定をしたWSUSサーバーをインターネットとPCの間に設置し、Windows Updateをコントロールしながら、検証を済ませた更新プログラムだけを各PCに配布・適用している。

 しかし、ひとり情シスの企業にとって、WSUSサーバーの構築はかなりハードルが高い作業となる。下平マネージャーは、「ひとり情シスの割合が高い中堅・中小企業のお客様は、WSUSについて『最適なハードウェア構成が分からない』『導入に手間と時間がかかりそう』『どのような設定で運用すればいいか分からない』といった悩みを抱えている」と強調する。そこで、“ひとり情シス”の企業でもWSUSを簡単に導入できるソリューションとして、「Express5800 WSUS導入セット」を企画した。
 
 
ハードウェア選定不要でNECが定義した運用ポリシーに基づく初期設定済みの「Express5800 WSUS導入セット」と、テレワークやウェブミーティングに最適なモバイルノートPC 「VersaPro タイプVG」

WSUS初期設定済みサーバーと
導入手順書がセットで簡単導入

 2019年8月に販売が始まったExpress5800 WSUS導入セットは、NECの省スペース型タワーサーバー「Express5800/T110j-S」にWSUSを有効化し初期設定を完了させたモデルとなっている。ハードウェア構成は、MicrosoftのWSUS推奨ハードウェア仕様に準拠しているので、販売パートナーやユーザー企業側でスペック検討やサイジングをする必要はない。RAID1構成のストレージには、2世代分の品質更新プログラムと機能更新プログラムが保管できる。

 また、イントラネット接続前に必要な初期設定も出荷時に実施済み。同梱されている手順書には、サーバー設定とPC設定の詳細な手順が画面写真付きで示されているので、導入作業に携わるシステム管理者の経験が多少浅くても、少ない手間と短い期間で使い始めることができる。

 さらに、「どのような設定でWSUSを運用すればいいか分からない」というユーザー企業の悩みに応えるため、Express5800 WSUS導入セットではWindows 10の運用ポリシーと更新プログラム適用ルールもあらかじめ設定されている。「これまで培ってきたWindows 10の運用管理の知見を基に、NECで定義した運用ポリシーに沿って、要件・仕様を決定している」と、下平マネージャーはアピールする。

 具体的には、「Windows Updateに起因するリスクを最小化する」「Windows 10のセキュリティリスクは許容しない」という2項目のWindows 10運用ポリシーに基づき、「機能更新プログラムはシステム管理者の承認なしでは適用しない」「品質更新プログラムは自動承認・自動適用」という適用ルールを出荷時に設定してあるという。なお、この適用ルールをユーザー企業側で変更することも可能だ。

WSUS導入にまつわる悩みを解消
短期かつ低コストを実現

 ユーザー企業にとってExpress5800 WSUS導入セットのメリットは、まず「ハードウェア構成」「導入に要する手間と期間」「設定の仕方」という三つの悩みを解消できること。発注から納品までが8から10営業日程度と短く、自社で設計・構築するよりも低コストで導入できるという利点もある。

 販売パートナーにとっても、Express5800 WSUS導入セットは魅力的な商材だ。最大の特長は、従来のWSUS導入案件と違って、構成検討やサイジングの作業が発生しないこと。プリセールスのエンジニアを顧客先に派遣してヒアリングや調査をしなくても済むので、それだけ効率的にビジネスを進められるのである。それによって削減できる販売コストを販売価格に反映させれば、競争力を高めることにもつながる。

 販売パートナー向けの講習会は2019年10月からエリアごとに開催し、さまざまなイベントの場で個別の商談にも応じている。ユーザー企業にとっては、PCを買い替えることで運用管理も実現できることが望ましい。PCの買い替え促進に取り組む販売パートナーがExpress5800 WSUS導入セットも提供すれば、最適にユーザー企業の環境を整えることにつながりそうだ。下平マネージャーは、「ひとり情シスのお客様が抱えるさまざまなお困りごとを解決するため、今後もいろいろなソリューションを企画していく」との方針を示す。
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外部リンク

NEC=https://jpn.nec.com/pcserver/appliance/wsus/index.html