バックアップとレプリケーションの高い信頼性で急成長のVeeamがコア製品として展開するVeeam Backup & Replication――。2021年2月にリリースされたその最新バージョンには、継続的データ保護(CDP)が新機能として追加された。CDPの最大の特長は、秒の単位の目標復旧時点(RPO)や目標復旧時間(RTO)が得られること。企業内の重要データや重要ワークロードに対してその損失リスクを最小限にするのに威力を発揮する。

1粒で4度おいしい

 「最新バージョンのv11で、Veeam Backup & Replicationは“1粒で4度おいしい”データ保護プラットフォームになった」。ヴィーム・ソフトウェアの高橋正裕・ソリューション・アーキテクトはバックアップソフトウェア「Veeam Backup & Replication v11」の売りのポイントをこう解説する。これまでは「ストレージスナップショット」「バックアップ」「レプリケーション」の3つをオールインワンで提供していた。それでも包括的なデータ保護を検討するお客様にとってはお得なパッケージだったが、今回のv11では「継続的データ保護(CDP)」も追加され、まさに1粒で4度おいしくなったというわけだ。
 
高橋正裕
ソリューション・アーキテクト

 v11にCDPが追加されたことで、ミッションクリティカルシステムの保護にも対応できるようになった。これまでのVeeam Backup & Replicationのレプリケーション機能でも、迅速なフェイルオーバーはできたが、それでも時間~分単位での対応であった。秒単位の目標復旧時点(RPO)や目標復旧時間(RTO)が求められるミッションクリティカルシステムへの適用は難しかったが、v11ではそういうニーズにも対応する。

適材適所でVeeamの復元機能を最大限活用する

 CDPが実装されることで、Veeam Backup & Replicationを手に取るユーザーは、データ保護の手段の選択肢がまた一つ増えたと言える。ここで重要なのは、「保護すべき対象の重要度に応じて、適切な手段を選ぶことだ」と高橋ソリューション・アーキテクトは語る。確かにCDPを適用すれば、目標復旧時点(RPO)や目標復旧時間(RTO)の最小化は実現できる。「CDPで秒単位の復元が可能になるのは、その機構として、vSphere API for I/O Filtering(VAIO)を使って、入出力処理(I/O)のデータを都度複製するということにある。ただ同時にその頻繁なI/O処理に耐えられるインフラの設計と導入も必要になる」(高橋ソリューション・アーキテクト)。つまり、ダウンタイムが発生すると多大な影響があるミッションクリティカルなシステムの保護にはCDPの適用が適していると言えるが、そこまでのRTO/RPOが求められない場合は、SLAに応じて適切な復元手段を適用していくのがベストプラクティスである。Veeam Backup & Replicationの復元の種類としては、RTOやRPOに応じて、v11のCDPに加えて、従来から利用できる機能である「イメージレベルのバックアップからの即時復元」「トランザクションログのバックアップからの復元」「イメージレベルのバックアップからの即時復元」「レプリケーションへのフェイルオーバー」と多様な手段を選ぶことが可能だ。
 
CDPを使えばRTOとRPOの両方を最小にすることが可能。保護対象に求められるRTOとRPOに応じて、
適切な復元手段をVVeeam Backup & Replicationでは選択できる

 CDP以外にも、Veeam Backup & Replication v11には200を超える新機能および機能拡張が盛り込まれている。

 例えば、パブリッククラウドのオブジェクトストレージをリポジトリーのキャパシティーとして利用する機能では、これまでのAmazon S3/Microsoft Azure BLOB Storage/IBM Cloudオブジェクトストレージに加えて、Google Cloud Storageをサポート対象に追加。「オブジェクトストレージを介してデータを移せば、クラウドに短期に移行できる」と高橋ソリューション・アーキテクトはいう。

 また、バックアップデータをマウントしてすぐに業務で使えるようにするインスタントリカバリ機能については、Microsoft Hyper-V、NAS、Oracle Database、Microsoft SQL Server Databaseのそれぞれを新たにサポート。障害が発生した業務システムを数秒以内で回復させたり、新しいNAS装置が納入されるまでの期間をインスタントリカバリでしのいだり、といった使い方が可能になっている。

追加費用なしで新機能を利用可能

 これまで紹介したVeeam Backup & Replication v11の特長的な機能は、追加費用なしで利用できるのも大きい。Veeam製品を利用しているのであれば、当然v11にアップグレードすれば新機能・拡張された機能の恩恵を受けることができるし、まだVeeam製品を利用していなければ、この機会に包括的なVeeamのバックアップ&リカバリ ソリューションで、企業のデータ保護のレベルをより高次にあげてみてはどうだろうか。特に、先述のCDPは、「高価な共有ディスクを使うことなく、従来のクラスターシステムと同等の可用性が得られる」(高橋ソリューション・アーキテクト)と、同レベルの可用性を担保することを考えた際の費用面でのメリットも大きい。

 また、販売店やシステムインテグレーターにとっても、Veeam Backup & Replication v11は顧客企業に勧めやすいデータ保護商材となることだろう。“1粒で4度おいしい”ので、顧客のさまざまなニーズとワークロードにこれ一つで対応することができるからだ。

 DXの時代を迎えて、ますます重要性が高まるデータの保護――。Veeam Backup & Replication v11を使えば、データ保護は簡単かつ低コストで可能になる。

 
マルチクラウド時代におけるデータマネジメントの取組みについてのアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_multi2