最終日の特別講演には、慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授の岩本隆氏が「ニューノーマルな働き方におけるHRテクノロジー活用」をテーマに講演した。

慶應義塾大学大学院
経営管理研究科 特任教授
岩本 隆氏

 日本で「HRテクノロジー」という言葉が浸透しはじめたのはHRテクノロジーコンソーシアムが活動を開始した2015年。「16年10月に開催された『HRテクノロジーサミット』と『第1回 HRテクノロジー大賞』の授賞式をきっかけにHRテクノロジーに火がつき、一気に注目を浴びるようになった。経産省も産業人材政策にHRテクノロジーの活用を強く推しており、産官学連携によるHRテクノロジーの産業創造が進んでいる」という。

 過去6回のHRテクノロジー大賞で、ユーザー企業30社、ベンダー企業80社弱が受賞。そのうちの多くのスタートアップ企業がIPOを果たすなど、HRテクノロジー市場が急成長。特に、コロナ禍からHRテクノロジーの活用が加速している。

 岩本氏は日立製作所、KDDI、オカムラ、ライオンなど、大企業各社のニューノーマルな働き方に関するプレスリリースも紹介した。例えば、日立製作所では自社の取り組みで得たノウハウやテクノロジーをもとにニューノーマルな働き方を支援するサービスの外販をスタートしている。

 多くの企業がニューノーマルな働き方への改革を進めているが、ワークプレースの多様化もあり、その実現となると、マネージするパラメータが増えて複雑化している。「ニューノーマルな働き方を構築・定着化するためには、全体のアーキテクチャーを設計した上で、意識改革、制度改革、HRテクノロジー活用を三位一体で進めることが重要だ」と強調する。その上で、個々人に最適なワークプレース/ワークスペースを提供する、個々人の自律性を高める、個人と組織の生産性を最大化するなど、さまざまなニーズを同時に満たすことも必要としている。

 また、さまざまなニーズを同時に満たすには、総務、人事、経理といった間接部門の連携が不可欠。全体像を描き、個々の部門のサポートが有機的に結合していかなければならない。さらに、情報システム部門とも連携して活用するテクノロジーの連携を進める必要がある。総務、人事、経理など間接部門の業務のデジタル化をサポートするテクノロジー全般を包含したものが「WorkTech」で、世界中で大きなトレンドになりつつあるという。