── DISが取り組んでいるセキュリティー領域へのアプローチ「DIS TOTAL SECURITY」とはどのようなものなのでしょうか。
谷水 大規模な情報漏えいやランサムウェア被害が次々と発生している現在では、セキュリティー対策の強化は企業の規模や業種を問わず喫緊の課題となっています。そこで、お客様の環境やご要望に応じてさまざまなセキュリティー対策を提供するのがDIS TOTAL SECURITYです。
その最大の特徴は、今必要とされるセキュリティー対策をビルディングブロックで示すことです。世界的に見て日本は中小企業が多く、産業面で大きな役割を担っています。しかしながら、ほとんどの中小企業では慢性的にIT人材が不足しており、セキュリティー対策にかけられる人的リソースもコストも非常に限られているのが現状です。そこでDIS TOTAL SECURITYで自社の脅威がどこにあるのかをシンプルに可視化し、重点的に取り組むべき領域を理解していただき、その上で効率的にセキュリティー対策が行えるようにします。
── DIS TOTAL SECURITYにおいてサイファーマおよびそのソリューションはどのような役割を果たすのでしょうか。
谷水 複数のベンダーから数多くの製品やサービスを用意して提供しているのがDIS TOTAL SECURITYですが、その中でもサイファーマさんのEASMソリューションは、インターネット上に公開されている自社資産とぜい弱性の管理にとって重要な存在です。生成AIが進化した昨今では、これまでフィッシングメール攻撃などの“防御壁”となっていた日本語の独自性は通用しなくなりつつあります。今後は自然な日本語のフィッシングメールが当たり前となり、従業員が違和感を覚えないままリンクをクリックしてマルウェアに感染してしまう、といった被害が飛躍的に増えるでしょう。また、攻撃者が生成AIを利用することにより、効果的に攻撃前の偵察活動を行えるようになるというレポートが英政府の機関から本年出ています。このような将来を見据えたとき、まずは攻撃者から“攻撃の難しい組織”と見られることが重要であり、ここでもEASMは大きな役割を果たすのです。
リテシュ 最初にDIS TOTAL SECURITYのお話を伺ったとき、これだけしっかりとカスタマージャーニーを意識したサービスはグローバルでも聞いたことがなく、非常に感心しました。それぞれの企業が自社の状況を踏まえて、段階的にセキュリティー対策に取り組めるよう強く意識されているサービスですね。特に取り組むべき対策をブロック化してシンプルに可視化されているのが素晴らしいです。もし複雑なソリューションを提案したのであれば、中小企業はその段階で諦めてしまうでしょう。