昨年6月、ニッセイコムの社長に就任。日立製作所から転じて1年が経った。中小規模の市場で、業種特化型のシステムやパッケージに強みをもつニッセイコム。2011年度には、新しい中期経営計画がスタートする。従来、同社の年商は200億円台で推移してきた。今年はSAPの業種特化型テンプレートの販売を強化して、これを原動力に2013年、売上高250億円の大台を目指している。
ITをコーディネートする会社に
──日立製作所からニッセイコムに転じられて1年が経ちました。振り返っていかがですか。
武本 非常にポテンシャルが高い会社だと捉えています。悪くいえば人がよすぎるのですが、もっと「いい意味での図々しさ」が出てくると、当社は強い会社になると思います。要するに、顧客に言われたことを聞くだけではなく、「いいパートナー」にならないといけません。顧客に「ニッセイコムに決めた!」と言っていただいた瞬間に、パートナーとして、同じ目標を見据えることになるのです。顧客が実現したいことに対して、言うべきことをきちんと言う。言われたことだけをやるのはパートナーではありません。そのことを繰り返し、繰り返し社員には伝えています。
──ニッセイコムが目指している姿とはどんなものでしょうか。
武本 私はこの会社を「ITをコーディネートして、顧客の課題を解決する会社」にしたいと思っています。自社製品だけでなく、他社製品をも組み合わせて、すぐれた提案ができる、そういう会社になりたいですね。当社は、「プラットフォームインテグレーションセンタ」という組織を2年ほど前に立ち上げて、トレンドを見極めながら、販売提携を進めています。例えば、当社と同じビルにはインフォテリアが入居しているのですが、同社のスマートデバイス向けコンテンツ配信システム「Handbook Studio」の代理店になりました。また、ロシアのアンチウイルスソフトメーカーであるカスペルスキーラブスジャパンのプラチナパートナーとして、ゴールドパートナー(リセラー)の開拓も行っています。当社が得意とするソリューションと組み合わせて、付加価値を高めることで、課題解決のためのツールを充実させています。
──リセラーの開拓部隊は、別に設けているのですか。
武本 同じ部署が手がけています。顧客の課題をうかがってソリューション営業を強化するうえで、まだそこまではいっていませんが、本当はコンサルティングまで提供したいと思っています。まず業務分析をして、具体的にITシステムを構築するアプローチに落とし込み、結果的に自社製品も拡販できる体制ができ上がる。在任中にはぜひ着手したいですね。
──昨年末に取材にうかがった際には、システム開発のコストプレッシャーと相まって、収益が若干伸び悩んでいるというお話でした。その状況は今年に入っても変わりませんか。
武本 売上高の数値は前年比で微増になりそうですが、利益はなかなか伸びないなあ、という感じですね。けれども、売上高が伸びているので悲観はしていません。当社はもともと製造業、流通業に強みをもっていますし、公共・文教分野でも製品を展開していますが、ここにきて、自社パッケージの引き合いが増えています。
──御社のなかで今一番の伸び頭となっているのはどのパッケージですか。
武本 国公立大学向け財務会計システム「GrowOne財務会計」が一番の伸び頭です。昨年7月に大手メーカーのシェアを奪取して、トップになりました。強いものをより強くしたいという思いがあって、文教・公共の営業部隊を集約して、4月1日付で「公共情報事業本部」を発足させました。
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