ATMやPOS関連システムの開発・販売に強い富士通フロンテックは、2013年度(14年3月期)を最終年度とする中期経営計画を推進している。金融機関や流通業など、同社が得意とするターゲット向けのビジネスを国内で深耕しながら、海外にも積極的に攻め込んでいく。今年6月にトップに就いた利根廣貞社長に、その構想をうかがった。
強みとする金融機関、国内のATM稼働は6万台
――昨年度(2011年3月期)の業績は、売り上げ、利益ともに2ケタ成長で、不透明な経済環境のなかにあっても好調でした。
利根 富士通フロンテックのビジネスは幅広いので、まずは事業内容を簡単に説明させてください。
当社のビジネスは、大きく四つに区分できます。一つがATM(現金自動預け払い機)を中心とした金融機関向けソリューションで、二つ目がPOS(販売時点情報管理)端末・システムなど、流通業向けのソリューション販売。そして、映像表示システムや金型の開発・販売など、金融・製造以外の民間企業と公共機関向けソリューションが三つ目。それに加えて、アウトソーシングを中心としたサービスビジネスで構成しています。
昨年度の実績では、最もビジネスボリュームが大きいのが金融機関向けソリューション事業で、全体の36%を占めており、そのほかの3セグメントがほぼ同じ比率となっています。昨年度は、流通業向けビジネスの売上高拡大が貢献したほか、09年度に行った組織再編などが実を結んで増収増益を果たしました。
――金融機関向けビジネスの比率が、依然大きいですね。
利根 国内で稼働している当社のATMは約6万台で、昨年度は大手都市銀行を中心に、約3000台を出荷しました。今年度は3500台を目標に掲げています。また、金融機関には専用の営業店端末があるのですが、この専用端末の販売は、昨年度で1万6000台に到達しました。セキュリティを守るための手のひら静脈認証機器は、三菱東京UFJ銀行など大手銀行を中心に多数の納入実績があります。加えて、ATMの運用をお手伝いするアウトソーシングサービスも展開しています。
ATM、端末、セキュリティといった多様な機器を揃え、さらに運用もお手伝いできることをユーザーに評価していただいています。これが富士通フロンテックの強みで、競合他社にはこうした製品・サービスラインアップ、サービス提供体制は整っていないはずです。
――13年度(14年3月期)を最終年度とする中期経営計画を推進していますが、今後も金融機関向け事業を中心に据える考えですか?
利根 重点施策に位置づけているのは3点。海外事業の拡大、国内店舗ビジネスの強化、そしてサービスビジネスの拡大です。
国内では、小売業の店舗向けのトータル提案を推進します。RFIDやPOS、ATMと、それらをシームレスにつなぐ情報システムをセットで提案する総合ソリューションを提供し、流通業向けビジネスを伸ばします。そのうえで、機器販売だけでなく、運用をサポートするサービスビジネスも業種を問わずに成長させる。また、国内だけでなく、海外での売り上げ拡大に積極的にチャレンジするのが中期の基本戦略です。
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