競合他社の動向は“気になる”
──この1年で、競合他社も力をつけてきています。伸び率では、AWSを超えているサービスもあります。たぶん、あまりいい答えは得られないと予想はしていますが、そういった競合他社の動向をどのようにみておられますか。 長崎 クラウドは、スケールメリットが効くビジネスです。われわれは9年間、クラウドサービスを提供しておりますので、それなりの蓄積があります。パイオニアであり、リーディングカンパニーとしてやってきています。
ただ、いろいろな競合サービスが出てきているのは、理解していますし、お客様にとって選択肢が増えるのは、すばらしいことです。われわれが一人勝ちするとは思っておりません。
──競合他社の動向は気になりませんか。 長崎 当然、気になりますよ(笑)。お客様からの声としても聞くことがありますし。
われわれは、お客様が何か実現したいというときに、選ばれる適切なプラットフォームであり、最適なプラットフォームでありたいと思っています。至らないところがあれば、改善していきます。こうしたことを日々、絶え間なくやっていくことが重要だと思っています。その意味では、お客様との対話は、われわれにとって生命線だと思っております。
──クラウドの採用はコスト削減が目的ではないという話がある一方で、クラウドは価格が高いという声も聞くようになりました。物理サーバーの低価格化が進んだことで、オンプレミスのほうが安いというわけです。 長崎 そういうお客様の声は確かにあります。ただ、導入時や運用管理の人件費、細かなところでは電気代なども含めて、しっかり比較していただくと、AWSのほうが安いケースが多いと思っています。安くない場合は、われわれ自身の努力が足りない。改善する必要があります。
価格を下げ続けるというのは、今までのITのビジネスモデルではなかった。それをAWSは、2006年のサービス開始からずっとやってきています。その姿勢というか、歴史をみてご判断いただければと思っています。
ただ、コストは重要なポイントだと思いますが、やはり、ビジネスに対してITがどう貢献するのかが重要です。お客様には、ファクトやデータをきちんと提示して、お話をしています。
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