プレミアコンサルティングパートナーを地方から
──日本企業のプレミアコンサルティングパートナーが4社になりました。 長崎 すばらしいことです。プレミアコンサルティングパートナーは、世界で30社しか認定されていません。そのうちの4社が日本の企業ということですから。日本には、AWSに強くコミットしたスキルセットをもったパートナーが存在するということの現れでもあります。
──日本の市場規模でいうと、もっと増やしていきたいというような思いはありますか。 長崎 当然、増やしていきたい。そのためにも、一つは技術的な支援ですよね。新しい技術をより早く届ける。それから、AWSを導入するときの支援をしていきます。
ユーザー企業は、オンプレミスからの載せ替えだけじゃなくて、新しいビジネスインパクトを与える提案を望んでいます。そうした提案ができれば、プレミアコンサルティングパートナー以外のパートナーにも、大きな可能性があると思っています。
──少し前には、地方にも力を入れておられましたが……。 長崎 今も継続しています。手軽に導入できるのがクラウドのメリットですが、サポートを必要とされているお客様もいらっしゃいます。また、地方に行くほど、情報の伝達に若干のタイムラグがありますから、必要なサポートを受けられないケースがあります。そのため、地方で活動されているパートナーと一緒に、導入支援や啓発活動をしていきたいと思っています。
──プレミアコンサルティングパートナーが地方から出るといいですね。 長崎 そうなったら、すばらしいですね。ぜひ、実現したいです。

‘日本企業は、テクノロジーに関する感度が非常に高い。以前、日本のマーケットは米国よりも何年か遅れているとされましたが、差はありません。’<“KEY PERSON”の愛用品>初心に帰るパス 米Amazon Web Services(AWS)が毎年開催しているカンファレンス「AWS re:Invent」のパス。これを見ると、アマゾンの企業理念「Every day is still Day One」が思い浮かび、フレッシュな気持ちになるという。
眼光紙背 ~取材を終えて~
「お痩せになったのではないですか」との問いに対して、「ストレスです」と答えた長崎社長。米国本社からの要求が厳しいとか、競合他社の動向が気になるとか、瞬時にいくつもの妄想を巡らせたが「冗談ですよ」と一笑に付されてしまった。この1年間では、とくに太ったり痩せたりはしていないとのことだった。
ではということで、ストレスを解消するために、何か趣味をおもちかと聞いてみたが、無趣味とのこと。なかなか攻めづらい。趣味は仕事ということになっているらしい。
趣味の仕事ではクラウド一色となるが、現時点で「もはや、クラウドにできないことはない」と、長崎社長は自信をもつに至っている。クラウドサービスは、万能サービスというわけだ。
昨年までは、クラウドを優先して検討する“クラウドファースト”がキーワードとしてよく使われていた。それがさらに進み、クラウドの採用が一般化したとして、AWSでは「ニューノーマル」と呼んでいるという。“趣味”の世界は、奥が深い。(弐)
プロフィール
長崎 忠雄
長崎 忠雄(ながさき ただお)
米国カリフォルニア州立大学ヘイワード校卒業、理学士号を取得。数社を経て、2006年にF5ネットワークスジャパンの代表取締役社長兼米国本社副社長に就任。2012年2月よりアマゾン データ サービス ジャパン代表取締役社長。
会社紹介
パブリッククラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」を運営する米アマゾン・ドット・コムの日本法人。設立は2010年8月。AWSの東京リージョン(データセンター群)設立は2011年3月。ほかに、米国、欧州、ブラジル、シンガポール、オーストラリアにおいてデータセンター群を保有している。