CADソフトウェアメーカーとしてビジネスを手がけていたPTCジャパンが今、IoT(Internet of Things)市場で頭角をあらわそうとしている。数々の買収によってIoT関連の製品・サービスをラインアップし、今後はSIerやクラウド事業者をはじめ、さまざまなベンダーとパートナーシップを組んでビジネスを拡大していく方針だ。他社に先駆けてIoT市場に参入していたことから、「先駆者として“トップランナー”の地位を確保する」と断言する桑原宏昭社長に今後の方向性を聞いた。
今まさに転換期を迎えている
──2009年11月にPTCジャパンのトップとして就任して7年目を迎えています。主力商材のCADから、IoT分野にまでビジネス領域を拡げるなど、さまざまなことに取り組んでこられたとお見受けしますが、今どのようなステージだと捉えていますか。 まさに転換期です。ここ3~4年、デジタルデータを中心にエンタープライズの世界に入り込むというのが目標でしたが、堅調に達成できていると自負しています。IoTを切り口に、CADで獲得していた製造業だけではない業界でも、顧客が増え始めている状況です。私が就任するまでは、本当にCADが中心だった。ただ、それだけでは成長しないとの判断で、ソフトウェアの拡充、PLM(製品ライフサイクル管理)の観点でサービスの提供、そして2年ほど前からIoT分野に進出しました。加えて、IoTの活用として、今ではAR(拡張現実)などを採り入れるなど、新しいソリューションを提供できるまでになりました。
──その結果、業績に対する効果はありましたか。 売り上げは、ライセンス販売が昨年度(2015年9月期)が前年比12%増、PLMの「PTC Windchill」に関しては2倍に拡大しています。日本では、IoTを活用するという時代に突入しつつあります。IoTを切り口に“戸が開く(ドアノック)”ケースが出てきて新規顧客が増えている。実際、14年末の時点で130社程度だった顧客が15年末で160社程度にまで膨れ上がりました。
──CADが主体だった頃と比べて、ビジネススタイルに変化はありますか。 現在、当社ではCADが中心の「PTCソリューション」とCAD以外の技術「テクノロジープラットフォーム」、IoTを切り口に当社のテクノロジープラットフォームとパートナーが得意とする製品・サービスと組み合わせて提供する「パートナーソリューション」の三つに分けてビジネスを手がけています。PTCソリューションという既存のビジネスを継続しながら、さまざまな製品・サービスがつながる「スマートコネクティッド」、インフラとしての「スマートファクトリー」「スマートシティ」などをコンセプトにパートナーとともに新しいソリューションを創造していく。IoTプラットフォームから入って、データの分析、新しいサービスの提供へとつなげる。それが今のビジネススタイルとなります。そのため、パートナーを開拓することが重要だと判断しているのです。
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