働くフィールドはどんどん広がっている
──地方創生という国策をきっかけに、テレワークに対する注目が集まっています。パソナテックは全国にエンジニアを抱えていますから、やはり地方創生やワークスタイル変革は気になるキーワードかと思います。 都会で働くという選択だけでなく、自分のライフスタイルに合わせて地方で働けるみたいなことも大事だと思います。例えば、クラウドソーシング事業にも取り組んでいて、今まで制約があって働けなかった人が、時間と距離の壁を越えることで働けるような仕組みを提供しています。要するに、IT業界のエンジニアは、働くフィールドがどんどん広がっているんですよね。だから、派遣にこだわっている場合ではない。
パソナグループでは今、「リンクワークスタイル」というリモートで派遣できるスタイルを推進しているんです。地方にいても、自宅にいても、派遣できるような仕組みにチャレンジしてみようと。例えば、開発のエンジニアが多重構造のなかで中抜きされて、疲弊しているケースがあります。そういうエンジニアが、ダイレクトに活躍できるようなプラットフォームをつくりたいと思っています。
──クラウドやIoTへの取り組みも、そういった考えの延長線上にあるのでしょうか。 先端的な取り組みも必要ということですね。クラウドは最初こそ話題先行でしたが、今ではオンプレミスからクラウドへの置き換えが進んでいますし、そういう事例が増えていくと、マーケットに人が集まってきます。やはり、優秀な人財に集まっていただきたいですし、「未来を変えるぞ、世界を変えるぞ」みたいな思いで集まってきてほしいわけですよ。エンジニアの特性としても、新しいことにチャレンジしたいという気持ちが強いですから、一つのトリガーとして、市場を変えていく可能性のあるところを捉えていこうと。私たちは「広がる市場に必要な人財を」と言っていますが、そこにしっかり人財を提供していきます。
フルスタックの人財が求められている
──派遣事業には多くの企業が取り組んでいますが、企業規模の小さなSIerでは派遣法の改正に対応できないという声も聞きます。派遣法の改正については、どのようにお考えですか。 派遣法の改正は、特定派遣の排除ですので、一般派遣の当社には影響はないですね。当社自身は、エンジニアのキャリア創造にしっかり取り組んできています。派遣会社が中抜きをするだけで、何もしてくれないというのではなくて、人財会社としてしっかり、社員以上のものを提供しています。例えば、スキルアップ、キャリアアップしていくための資格取得の支援や、セミナーもやっています。
派遣法の改正の目的は、中抜きするだけの会社を淘汰させましょうということなので、働く人の側に寄っている話なんですよね。健全な取り組みなのです。働く人からみたら、安心して働くための選択肢を提供するということですから。
──話は変わるのですが、このところ人材不足が続いていました。そろそろエンジニアが余りだしたという話も、聞くようになってきたんですが。 本当ですか?
実感はないですね。全体的な不足感は続いています。
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