Arcserveが進む次のステージ
──シグノーレロCEO以外にも、経営陣に新しい人員を招きましたね。これは経営陣を刷新する目的があったのでしょうか。
昨年9月にセールスの責任者としてアダム・オルソンを、今年1月にマーケティング責任者としてレイチェル・マクラリーを迎え入れましたが、変革のために人を変えたのではありません。
私は最善のアスリートで自分のまわりを固めたいと思っています。アダムは私の数週間前に入社していますが、面接の段階で彼と話しをし、彼がもっているスキル、営業能力に対して確信をもっています。レイチェルは以前同じ会社で一緒に仕事をしていたので、彼女のマーケティング分野での能力は重々承知しています。
独立から3年半、多くの時間を費やして製品群を強化してきました。これからはレイチェルの力を借りて需要を自分たちで生成し、アダムの営業力で売り上げを伸ばしていきます。Arcserveが「次の次元」に進むために、この二人は必要な人材であると考えています。
──Arcserveが進む、次の次元とはどのようなものでしょうか。
まずは、今ある製品群が一枚岩になるため、統合を完了させる必要がありますが、その後はクラウド関連の製品、サービスに注力していきます。
企業ビジョンとしては、市場の成長の2~3倍の速さでArcserveを成長させ、買収を含め、事業を強化、拡大し、パートナーから一緒にやっていきたいと思っていただける会社になること。そして社員がいつまでもこの会社で働きたいと思ってもらえるような会社になることが、今後の目標です。
独立から3年半、多くの時間を費やして製品群を強化してきました。
これからは需要を自分たちで生成し、売り上げを伸ばしていきます。
<“KEY PERSON”の愛用品>幸運をもたらした腕時計
CEOに就任が決まった時、新しいお守りになればと思い購入した腕時計。購入してから5か月、売り上げ、利益ともに好調で、経営陣にすばらしい人材を迎えることができた。「これからも幸運を運んでくれるに違いない」と話す。

眼光紙背 ~取材を終えて~
Arcserveの独立創業から尽力し、今のArcserveの礎を築きあげたマイク・クレスト前CEO。今回のCEO交代に際して、シグノーレロ新CEOに託した想いなどはあったのだろうか。
シグノーレロCEOは「そういった要望は一切なかった」と話す。シグノーレロCEOは「リーダーになる以上は、自分のチームは自分で編成し、自分のビジョンをつくり、自分の道を切り開いていくものだ」と企業リーダー像について語る。
その言葉通り、自ら企業ビジョンを描き、ビジョン実現に必要な人材としてアダム氏とレイチェル氏を招き入れた。
Arcserveを生み出し、育て上げたクレスト前CEO。そしてそのArcserveに変革をもたらそうとしているシグノーレロ現CEO。二人の間に言葉はなくとも、信頼関係を感じることができた。託されたものは確かにある。(海)
プロフィール
トム・シグノーレロ
(Tom.Signorello)
1970年9月10日生まれ。ボストンのサフォーク大学経営大学院で経営学のMBAと学士号を取得。OnX Enterprise SolutionsのCEO、Dieboldの北米担当上級副社長兼マネージングディレクター、Unisysの北米グローバル管理サービス担当副社長などを歴任。17年10月にArcserveに入社し、CEOに就任。
会社紹介
イメージバックアップソフト「Arcserve UDP」を中核に、多様化するデータ保護ニーズに応えるバックアップ・リカバリソリューションの専業ベンダー。150か国以上、4万5000社の顧客に7500以上の販売・ソリューションパートナーを通してソリューションを提供。日本法人のArcserve Japanは、2014年10月1日に設立。18年2月発行の「IDC Semiannual Software Tracker - Final Historical, 2017H1」では、日本のData Protection and Recovery Software市場の年平均成長率3.2%に対し、Arcserve Japanは30.4%でトップの成長率を誇る。