あらゆる企業の
CX向上と成長に伴走する
――今後の成長戦略をお聞かせください。
まず大きな方向性としては、日本市場におけるジェネシスの見え方を変えていきたいと考えています。これまで弊社のソリューションはたくさんのエンタープライズクラスの企業にお使いいただいていて、おかげさまでCXプラットフォーム市場のリーダーとして認識していただけているのではと思います。一方で、これらのメリットを全ての企業に対して提供できているわけではありませんでした。クラウドへの注力によって、より幅広いユーザーに当社のソリューションを使っていただく下地はできつつあって、実際の提供体制を整えていこうと考えています。
――それは中小企業にもターゲット層を広げていきたいということでしょうか?
われわれがターゲットにするというよりは、中小企業においても将来的な成長までを見据えたパートナーとして選んでいただくと言ったほうが正確かもしれません。先ほども申し上げた通り、CX向上のためのソリューションは、企業それぞれの成長や環境の変化に合わせて、都度最適な価値を提供できるものであるべきだと思っています。CSMやPSM、アライアンスエコシステムも、それを実現するための要素の一つです。多くの企業から、CX向上に取り組み、新たな成長に向けた挑戦に踏み出すとしたら、ジェネシスこそが良きパートナーであると思ってもらえるようにしたいですね。
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大学を卒業して数年、社会人としての自覚を持ち始めた頃に常用していた腕時計が壊れた。このままではいけないと奮発して購入したのがタグ・ホイヤーのモナコだ。モータースポーツをイメージした個性的なデザインの四角い文字盤は今でも男心をくすぐるという。
眼光紙背 ~取材を終えて~
コンタクトセンターはプロフィットセンターだ!
コンタクトセンターはコストセンターである――。20年以上コンタクトセンターソリューション市場に身を置き続けてきたが、そんな固定観念との戦いの連続だった。「自分も一消費者として企業と接するときは、最高の対応をしてもらった企業にこそお金を落としたい」と語るのはジェネシス・ジャパンのポール・伊藤・リッチー社長だ。これまでどれだけカスタマーエクスペリエンス(CX)の重要性を説き、最適な顧客対応を支援する製品を提案しようとも、その思いが届かず悔しい思いをすることがあった。
しかし、ここ数年、そんな状況が変化してきた。企業と顧客をつなぐチャネルは多様化し、SNSが普及したこともあり、企業の顧客対応の重要性が認識されるようになった。顧客と直接やり取りできるコンタクトセンターはむしろプロフィットセンターであるというマインドチェンジが多くの企業で起こったのである。新型コロナ禍で企業と顧客の接点の在り方も大きく変わった。コンタクトセンターを核としたCXプラットフォームの重要性はさらに高まるとみている。
20年間、「コンタクトセンターソリューションというモノではなく、CXというコトを売ってきた」と思っている。多くの企業がそのCXを求めるようになったことがたまらなくうれしい。「この変化には鳥肌が立つぐらいだ」
プロフィール
ポール・伊藤・リッチー
(ポール・イトウ・リッチー)
1974年、米ロサンゼルスで、ロイター通信に勤務していた米国人の父と日本人の母の間に生まれる。父の転勤に伴い、カナダ、南アフリカ、英国での生活を経験。19歳で来日し、日本の大学に入学。卒業後はブルームバーグ、ディレクTV、レベルスリー・コミュニケーションズを経て、2005年に日本アバイアに入社。パートナー営業を中心に担当。13年7月、インタラクティブ・インテリジェンスに移籍。パートナー営業部部長、カントリーマネージャーなどを歴任。17年、ジェネシスによるインタラクティブ・インテリジェンスの買収に伴い同社に入社。日本におけるGenesys Cloudのローンチを主導したほか、直近では取締役執行役員 営業本部長を務めクラウドビジネスの成長を牽引。20年1月より現職。
会社紹介
コンタクトセンターソリューションを中心とするカスタマーエクスペリエンスプラットフォームを提供する米ジェネシスの日本法人。1997年設立。米ジェネシスはグローバルで約5000人の従業員を抱え、120以上の国と地域における1万3000社への導入実績を持つ。16年、米インタラクティブ・インテリジェンスを買収。