他の追随を許さぬ
GreenLakeの完成度
――エッジからクラウドまですべてハイブリッドな環境をas a Serviceで提供し、ユーザーはあらゆるITプラットフォームを自在に使えるというアプローチは他のITベンダーも取っていますが、HPEが差別化できる部分はどこでしょうか。
まずは、エッジやオンプレミス、プライベートクラウド環境の中でコンピュート、ストレージ、ネットワーク、さらにその上でのデータファブリック技術、それを実現するためのコンテナ基盤と幅広く提供できること。特に、異なる環境を連携しながらシームレスにつないでいくところのテクノロジーは大きな強みです。
次に、サービス提供にあたり日本だけでも1500人以上のエンジニアがいて、彼らが実装まで含め、マルチベンダー、マルチクラウドのソリューションもバンドルして一体型で支援できるインテグレーターとしての機能があること。
最後は、GreenLakeの提供形態です。コンピュートリソース、ストレージリソースとそれぞれ細かい従量課金体制ができていて、SAP HANA、VDIなどソリューションのテーマも用意され、お客様のご要望が多様化する中でベストフィットするような、本当の意味でのas a Serviceを提供できる仕組みができています。この完成度で提供できるのはHPEだけです。
――コンテナ技術に関してはいかがでしょうか。
SoE(System of Engagement)だけでなく、SoRも含めたコンテナ化を進めていこうという機運が高まってきています。そこに対しHPEでは、20年6月に発表したHPE Ezmeral(エズメラル)を、ビッグデータ・AIをテーマに提案していきます。加えて、従来からレッドハットと協業しているコンテナ基盤のOpenShiftの実装能力を持っているので、お客様の活用シーンに応じてどちらのソリューションが最適かを判断し、自社製品にこだわらずお客様目線で提供していきます。
――パートナー戦略も、サーバーを中心とした製品販売中心の関係に加えて、データ基盤やエッジといったソリューション中心の関係を強化していくということですが、協業体制はどう変わりますか。
お客様のビジネスを支えるため、我々自身がハイタッチセールスを強化していくことにはなりますが、我々の最大の財産は、3000社を超えるパートナーです。そこで、パートナーを通してより多くのお客様にバリューを提供できるためのシステムを強化していきます。
例えばGreenLakeには、エッジコンピューティングやHPCなどがラインアップされているので、従来のサーバーの販社様も最新のITサービスをクロスセルしていただくことができます。その際には当社が提供するアドバイザリーサービスの内容を理解していただく、または一緒にプロジェクトを回しながら我々のノウハウを身につけていただくことで、パートナー自身がお客様に対して、製品だけでなくバリューを届ける活動ができるようになります。そういう活動を通じて、HPEという会社の市場での評価を高めていきたいですね。
Favorite
Goods
日本IBM入社3年目に、当時の営業所長から贈られたメッセージ入りの銅板。「本気ですれば大抵のことができる。本気ですれば何でも面白い。本気でしていると誰かが助けてくれる。」この言葉をいつも胸に刻みながら仕事をしてきたという。
眼光紙背 ~取材を終えて~
互いを尊重する文化を守り抜く
HPEは、ITインフラに関して最も広範な領域をカバーするベンダーの一社であり、80年以上の歴史を持つ名門企業だ。しかし望月弘一社長は「幅広いソリューションをもつHPEだからこそできることを全員で共有し、家族や友人、みんなに対して誇れる、うらやましいと思われるくらいの会社にしたい」と述べ、現在の地位に飽くことなく、エクセレントカンパニーのあるべき姿を求めていくと強調する。
その目標の達成のため、顧客に対する一層の価値ある提案を通じてビジネスを成長させるほか、社員の個々の力を高める活動を行っていく。望月社長がそれらに加えて重要と説くのが、経営陣・社員が互いを理解し、尊重しあうオープンなカルチャーだ。人は、自分の存在が周囲から認められていると感じられるとき、自らの能力を最大限発揮することができる。「社歴や地位とは関係なく、正しい意見は正しいとお互いに認め合う」文化を守り抜くことが、自身の使命だと感じている。
プロフィール
望月 弘一
(もちづき ひろかず)
1963年生まれ、栃木県出身。86年上智大学外国語学部英語学科卒業、同年日本IBM入社。日本・アジア太平洋地域や米国本社で営業、戦略、サービス事業などのマネジメント職務に従事。2010年10月からディメンションデータジャパン代表取締役社長、15年11月からレッドハット代表取締役社長を歴任し、20年9月から現職。
会社紹介
1939年、米カリフォルニア州で設立。創業地のガレージは「シリコンバレー発祥の地」として知られる。60年代にコンピューター市場に参入し、汎用機やUNIXサーバーなどを手がける。2002年にPC大手のコンパックコンピュータと合併。15年にはPCおよびプリンタ事業を分社化した。グローバルでの20年10月期売上高は約270億ドル(約2兆8000億円)。日本でのビジネスは63年、横河電機との合弁(99年に解消)で「横河・ヒューレット・パッカード」としてスタートした。