2001年のベストニュースは「COMDEX FALL 2001」で「LIFEBOOK P Series」が最優秀ノートブック賞を受賞、さらに17部門のなかから最優秀賞を受賞したこと、ワーストニュースは7月以降コンシューマ市場で前年割れの実績になったこと――。富士通の伊東千秋常務理事パーソナルビジネス本部長兼モバイルフォン事業本部副本部長は、昨年のニュースをこう語る。コモディティ化が進行するパソコン事業は厳しい状況に陥っている。しかし、02年は企業向けで、03年は個人向けでリプレース需要が起こると予測。ブロードバンド、ワイヤレスソリューションの強化を図ることで、富士通の強みを発揮していく。 

 01年のパソコン市場を振り返り、伊東本部長は、「ユーザーの裾野の広がりなど、コモディティ化の波はパソコン事業そのものを厳しいものにした」と振り返る。

 店頭市場では、4-6月は前年同期並み以上の実績を残したが、7月から売り上げがダウン。一方でビジネス市場は堅調に推移した。

 しかし、店頭市場とビジネス市場の形勢は10月を境に逆転した。4月から9月まではウィンドウズXP発売前の買い控えもあり、店頭市場は軒並み前年実績を割り込む結果となったが、10月以降は徐々に回復。

 これに対し、ビジネス市場は、新OS効果による買い換え需要が店頭に比べ半年以上遅れる傾向にあることから、企業向けビジネスが悪化し始めた。店頭市場の10月以降の実績は、「週単位で最も良いときは前年比15%増、悪くても同5%増」という状況だった。

 コモディティ化が進み、価格の低下傾向を抑えられない今後のパソコン事業をどのように推進していくのか。

 伊東本部長は、「富士通としては、ブロードバンドとワイヤレスの機能をさらに強化した製品を提供し、1人1台の普及を目指す」という。

 世帯普及率が50%を突破したとはいえ、個人ベースのパソコン普及率は25%程度。そこで、一家に複数台のパソコンがある環境を快適に実現するための家庭向けネットワークソリューションの提供に力を入れていく。

 その際、重要となるのは、単にネットワーク環境を実現するだけではなく、セキュリティ面、全体のシステムとしての運用面をも視野に入れた展開だ。同社ではこれを「パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)」と位置づける。

 さらに、05年をめどにIPv6対応の家電製品が普及した場合を想定し、パソコンをさまざまな電化製品を管理する「ホームサーバー」的な製品へと進化させる。その際、24時間365日の稼働、切断しないネットワーク接続環境、セキュリティ、簡単な操作など、乗り越えなければならないハードルは山積する。

 02年度は「台数ベースでみるならば前半は01年度の厳しい状況を引きずるだろう。しかし後半は需要が回復する」と伊東本部長はいう。もっとも、02年度トータルの実績は01年度並みと予測する。金額ベースで単価が7-10%ずつ落ち続けている状況を考えると、前年割れは避けられない。

 個人市場で台数、金額ともに回復するのは、03年度を待たねばならないだろう。

 「03年度は個人市場でリプレースの時期にあたる。ハード面の性能ではリプレースをする必要はないのだろうが、ソフト面でのアップグレードが必要になる。一方、企業向けでは02年度にXPへの信頼感が生まれ、リプレース需要が発生するはず」とみる。