トレンドマイクロ(スティーブ・チャン社長)のウイルス対策研究機関、トレンドラボアンチウイルセンターのウイルス解析担当・岡本勝之氏は、今後懸念されるウイルスの脅威について「テクノロジーの進展が新たなウイルスを生む」とし、予断を許さない状況にあると指摘した。岡本氏によれば、今後登場が予測されるウイルスの形態として大きく7つの種類が想定できるという。

7つのタイプを想定

 1つはセキュリティホールを狙うウイルス。これは従来型のウイルスとして昨年猛威を振るった形態で、今後も登場する可能性は大きい。岡本氏は「プログラムがあればセキュリティホールがある」と警鐘を鳴らす。セキュリティホール発見の段階(修正プログラム未使用)でウイルスが世に出た場合の被害は甚大だという。

 2つ目は新テクノロジー、現段階ではとくにマイクロソフトの「.NET」環境を狙うウイルスの登場である。現在見つかっている「PE_DONUT.A」は、「.NETフレームワーク」で提供される新言語「C#」で開発されたプログラムに感染する。.NETやXMLをベースとしたウェブサービスは分かりやすく、開発者にとって簡単に使用できるだけに、ウイルス作成者に悪用される危険性は高い。

 3つ目はウェブ上のコンテンツを狙うウイルス。ブロードバンド環境の普及で「ショックウェーブフラッシュ」などのオブジェクトファイル(拡張子.swf)に感染するファイル感染型ウイルスの登場が予想される。

 4つ目は「ICQ」、「IRC」、「メッセンジャー」などのチャットプログラムを利用するウイルスの登場だ。コミュニケーション手段が電話やメールに加え、チャットプログラムに拡大することで、ウイルスの脅威にさらされる可能性が高い。また、チャットプログラム自体のセキュリティホールが狙われることも考えられる。

 5つ目はPDA用OSを狙うウイルス。マイクロソフトの「ポケットPC」に感染するウイルスはまだないが、シェアの拡大にしたがってウイルスが登場する可能性は大きい。また、PDAはパソコンと同期するため、両方のプラットフォームで動作するウイルスの動向も考えられる。

 6つ目は携帯電話ウイルスに対する懸念。現状では「携帯電話のOS構造上、ウイルスが出るのは難しい」(同)が、将来OSの世界的な統一があれば、ウイルスが出現する可能性がある。

 最後は日本語環境のウイルスだ。英語表記が通例だったウイルスだが、今後メールの件名に日本語で表記されたウイルスやローマ字表記のウイルスが登場する可能性は否定できないという。