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デジタルリユース 中小企業から中古PC回収

2002/06/03 16:21

週刊BCN 2002年06月03日vol.943掲載

 中古パソコン販売のデジタルリユース(木下敬司社長)は、中小企業からのパソコン回収に力を入れる。これまでは、大手企業からのリース払い下げを入札して調達していたが、「毎回、まとまった数が手に入るわけでなく、4-5年と古いものが多い。回収ルートを増やして良質なパソコンの調達台数を増やす」(木下社長)目的で、中小企業からの直接回収に踏み出した。

1000円から買い取り

 中古パソコン販売のデジタルリユースは、中小企業からのパソコン回収に力を入れる。これまでは、大手企業からのリース払い下げを入札して調達していたが、「毎回、まとまった数が手に入るわけでなく、4-5年と古いものが多い。回収ルートを増やして良質なパソコンの調達台数を増やす」(木下社長)目的で、中小企業からの直接回収に踏み出した。


 パソコン1台から出張して引き取ります――。デジタルリユースは5月下旬から中古パソコンの回収サービスを始めた。回収対象は、再販売できる価値があるパソコン。一定水準以下のパソコンについては回収しない。企業が使うパソコンを廃棄する場合、製造したメーカーが回収しなければならない。しかし回収にともなう費用はデスクトップ1台あたり3000-4000円と高い。

 デジタルリユースでは、中古販売できるパソコンに限り、最低1000円から買い取る。回収費用が1出張あたり最低1000円であるため、最低価格の査定であっても、実質無料で不用パソコンを排出できる。ただし、CRTモニタ付きデスクトップの場合は、出張引き取り料が2000円かかる。だが、最低の1000円の査定だったとしても、メーカー経由で排出するよりは割安だ。木村社長は、「ソフマップなど中古パソコン売買に力を入れている販売店でも下取りや買い取りをしている。しかし、販売店は、不良在庫を恐れて即日完売できるような最新型のパソコンしか買い取らない。当社は、使用済みパソコンの再生工場をもっているため、一般の販売店では絶対に引き取りたがらない4-5年の型落ちパソコンでも回収、再生できる」と、競合他社との差別化を訴える。

 同社では、月間7000-8000台の中古パソコンを買い取り、再生する。これらパソコンのうち9割以上が大手企業からのリース払い下げが占める。今回の中小企業からの直接回収では、月間800-1000台の買い取り台数を見込む。これにより、少しでも、良質な中古パソコンを入手し、販売数拡大を目指す。買い取ったパソコンの販路の多様化にも取り組む。すでに、自作パソコンベンダーの玄人志向(二松光主幹)に中古部品の販売を始めた。一部の販売店には、デジタルリユースが再生した部品が玄人志向ブランドで店頭に並ぶ。同社は昨年度(02年3月期)で実質第1期目の新しい企業。昨年度は赤字だったが、今年度(03年3月期)は15億円を売り上げて単年度黒字化を目指す。来年度(04年3月期)は30億円を売り上げる計画。

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