建築CADのシーピーユー(石川県金沢市、宮川昌江社長)は、新たな市場を創出するためエクステリア系CADを手がけるリック(神戸市東灘区、堀田清光社長)と技術提携した。建築CADとエクステリアCADの融合戦略を打ち出したシーピーユーの木屋雅博会長は、「これまでの提携戦略は仕上げの段階に入った」と、先行きに自信を示す。

新市場創出に意欲

 シーピーユーは2001年7月、ドイツのPYTHA(ピュータ)社に出資して、高機能3次元CAD「マドリック CG ピュータ」を製品化したのを手始めに、ハンガリーのグラフィーソフト、国内ではオプトグラフやスーパーソフトウェアなどと相次いで技術提携や資本参加を実施してきた。

 木屋会長は、「昨年、汎用2次元のキング CAD 2000については、エンジンの無料開放に踏み切ったが、時代が求めているのは3次元CAD。3次元のマドリック CG 2000について、当社だけでできることには限界がある」と、積極的に提携戦略を進めてきた。

 例えばドイツのピュータ社は、写真のようにリアルな3次元画像を簡単に作成できる技術をもっていたことから資本参加した。

 「建築CADの世界は、建築専用のマドリック CG 2000だけですべてをカバーできるわけではない。より高性能な3次元CGも必要だし、建物の外観や庭園など、いわゆるエクステリア部分の設計を行うCADとの連携も必要」という。

 こうした観点から、データの受け渡しを簡単にできる“ソフトメーカー連合”を作ってきたことで、全体として提携戦略が仕上げの段階を迎えている。

 今回のリックとの提携では、建築CADとエクステリアCADを協力して販売する。

 また、シーピーユーのマドリック CG 2000にエクステリアオプションとしてリックの主力製品である「リック CAD 21」の機能を取り入れる。

 リックは、シーピーユーの「マドリック CG ピュータ」の技術を生かし、エクステリアや植裁の配置を3次元CGで表現できる「エクステリア・ウォーカー(Exterior Walker)」をすでに発表している。

 「建築、住宅、エクステリアという業界区分はあるが、CADの世界ではそうした業界区分を越えてデータの受け渡しができるべきだと考え、賛同メーカーを募っていた」。このため、この路線は評価され始めたと認識していることから、「あと1つくらい大型提携があるかもしれないが、これからは市場創造に力を入れる」という。

 昨年度(03年3月期)の業績は売上高約22億円、経常利益9000万円。「先行投資がかさみ、経常利益が1億円を割ったのが残念だが、今年度は大幅増収を狙う」としている。