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カノープス ネットワーク型のビデオ配信システム好調 地方自治体で導入増える

2003/09/22 19:32

週刊BCN 2003年09月22日vol.1007掲載

 カノープスの、ネットワーク型ビデオ配信・表示システム「MEDIAEDGE(メディアエッジ)」の売れ行きが好調だ。「類似製品がなかっただけに、2年前の発売当初は市場開拓に苦労したが、スケジュール配信、ビデオオンデマンド、ライブ配信の3つの用途提案を行ってきた結果、地方自治体の地域イントラネット、公告映像配信、金融機関情報システム、文教市場などで着実にユーザーが増えている」(遠藤肇・第2営業部部長=写真)という。

 メディアエッジは、MPEG2画像を1台のサーバーに蓄積し、イーサネットLANによって多数のモニタに配信するシステム。サーバーには映像を蓄積、配信するサーバーソフト(MEDIAEDGE-SVS、価格19万8000円)をインストール、端末が通常のテレビの場合はセットトップボックス(同8万8000円)を経由して映像を再生する。パソコン端末の場合はデコーダボード、MPEG2ソフトウェアデコーダなどを用意している。低価格でMPEG2の高画質映像の配信が行えるのが特徴で、同社では、①スケジュール再生、②ビデオオンデマンド、③ライブ配信――を3大用途として提案してきた。

 スケジュール再生とは、インフォメーションやコマーシャルなど複数の映像コンテンツをサーバーに蓄積し、それぞれの映像を必要に応じてつなぎ合わせて送出する。再生スケジュール、順序、頻度の変更などが簡単に行えるのが特徴。ビデオオンデマンドは、セットトップボックスに付属するリモコンで映像を瞬時に切り替え、見たい映像をその場で再生する。ライブ配信は、オプションのMPEG2リアルタイムエンコーダを併用することで、ビデオカメラからの映像やアナログビデオの再生映像のライブ配信が行える。

 ライブ配信では、地方自治体での利用が進み始めている。現在、政府主導で光ファイバー情報水道計画が進行しており、広帯域を生かした映像配信システムの構築を目指す自治体が増えている。すでに、光ファイバー網を利用した映像配信システムとしては、富山県マルチネット、山口県光市学校間遠隔講義システム、鳥取県鳥取市-米子市映像双方向通信などがある。富山県マルチネットは、議会中継、花火大会や夏祭りの中継などに利用されている。光市では、市内の小中学校14校を光ファイバーでつなぎ、映像センターの教材を共同利用できるようにした。

 光ファイバー網の開放を受け、CATV向け送出システムに対しては、北海道、青森県、岩手県、鳥取県、島根県、山口県などが導入に積極的な姿勢を見せている。官公庁では、法務省の遠隔講義システム、入国管理局の情報表示システムなどで稼働している。同社では、「国の予算がつくので、市町村合併時のシステム統合案件に映像情報配信システムを加える動きが広まっている」として、導入拡大に向けた拡販に力を入れていくとしている。
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外部リンク

http://www.canopus.co.jp/index_j.htm