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フューチャーシステムコンサルティング 事業本部を産業別に再編 大型案件の受注増目指す

2003/11/24 19:37

週刊BCN 2003年11月24日vol.1016掲載

 フューチャーシステムコンサルティング(金丸恭文社長)は、社内組織を産業別に4つの事業本部に再編し、大型案件の受注獲得につなげる。コンサルティングから情報システム構築までを1つの事業本部内で手がけられるよう組織を集約し、ノウハウの効率的な活用を図る。ここ数年伸長している大規模プロジェクトの受注済み案件の進行を円滑に進める体制を築くとともに、新規大規模案件の受注拡大を目指す。

 新たに発足させた産業別の事業本部は、①製造・流通サービス事業本部、②金融サービス事業本部、③ビジネスディベロップメント&インターナショナル事業本部、④テクノロジーソリューション事業本部――の4つ。

 新体制以前の組織は、コンサルティング、システム構築などのように、業務ごとに体制が分かれていた。人材を案件ごとに割り振り、その都度プロジェクトチームを組む体制になっており、「特に枠組みは決めていなかった」(小西直人・取締役常務執行役員コーポレートマネジメントオフィス本部長)という。

 小西常務は、「(これまでの組織体制は)案件ごとに柔軟な対応ができるメリットはあるが、それぞれ個別に動いてきたことで、ノウハウを効率的に活用していたとは言えなかった」と、これまでの問題点を分析する。これを受け、「当社自体の企業レベルが大きくなり、案件も増加したことで、プロジェクトの実績やノウハウをスムーズに横展開していく体制が必要だ」と判断。ノウハウの有効活用により、品質向上を図るとともに、開発スピードを速めることで、新規案件を獲得しやすい体制を作る。

 また、今回の組織再編では、大企業を中心とした大型案件の受注が伸びていることに対応するためでもある。

 同社では従来、中堅企業に強みを持っていたが、ここ数年で大規模案件の受注が急増。より開発マネジメントを問われる案件が増えてきたことで、ノウハウの有効活用が必須になってきた。「大型案件は、開発も難しく時間もかかり、全社のノウハウを蓄積する必要があった。当社としても大規模ユーザー獲得には力を入れている分野」と、大型案件におけるプロジェクトの長期化や品質低下を防ぐ。

 新組織体制に伴い、同時に執行役員制度も導入。各事業本部の権限を強めることで、開発の効率化、経営スピードの向上を図る。
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