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シマンテック 販売パートナーを大幅拡充 統合セキュリティ製品の販売を強化

2004/03/08 20:24

週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載

 シマンテックは、企業向けビジネスで販売パートナーを大幅に拡充する。同社は、取り扱う製品の種類などに応じて4つに販売パートナーを区分しているが、その中で統合型セキュリティ製品などを販売するパートナー組織「エンタープライズ・セールス・パートナー」を拡大する考え。現在20社程度のパートナー数を今年6月までに10倍の200社に増やしていく方針で、複数のセキュリティ機能を統合した、ゲートウェイアプライアンス製品やクライアント製品の拡販に本腰を入れて取り組む。

 「エンタープライズ・セールス・パートナー」は、パートナー企業の事業規模に関係なく、シマンテックの企業向け製品を容易に販売できるプログラム内容で、パートナー契約条件もゆるく設定している。だが、「積極的にパートナーを募っていないため、支援プログラムの運用も活発ではなかったのが実情」(大岩憲三・執行役員副社長エンタープライズ事業統括=写真)で、パートナー数は20社程度にとどまっている。

 販売量の拡大を図るために、この「エンタープライズ・セールス・パートナー」を今年6月までに約10倍の約200社までに大幅拡充する。ほかのパートナープログラムの数が30社程度と少ないため、エンタープライズ・セールス・パートナーのカテゴリーだけが突出する体制となる。技術者のトレーニングや資料提供、顧客紹介などの支援プログラムを活発化させていくことでパートナーをサポートし、パートナー企業の事業規模を問わず、幅広いパートナー網で全国をカバーしていく。パートナー拡充により、シマンテックが最も力を入れている統合型セキュリティ製品の拡販を図る。

 ウイルス対策製品は、「顧客企業の規模を問わず、ほぼ導入済み、というのが市場環境」と大岩副社長はみている。次の商材として、ウイルス対策機能だけでなく、複数の機能を盛り込んだゲートウェイレイヤーでのアプライアンス(使いやすさに主眼を置き機能を最適化したハードウェア)や、IDS機能などを盛り込んだクライアントセキュリティソフトなどの統合型セキュリティ製品を前面に打ち出しており、パートナー体制の強化で統合セキュリティ製品の拡販を進めていく。大岩副社長は、「ウイルス対策機能での優位性を主張した営業展開ではなく、統合型セキュリティ製品を新たな顔として、ユーザー企業に入り込んでいく」という方針を立てており、「ウイルス対策だけのソフトベンダーというイメージを払拭させていく」と意気込みをみせる。
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