ノキア・ジャパン(ヘイッキ・テンフネン社長)は、企業向けセキュリティ事業において、携帯電話を中心としたモバイル事業との連携を強めていく方針を明らかにした。携帯電話などを扱うモバイル関連事業グループのなかのビジネス・アプリケーション事業部と、従来セキュリティ事業を手がけていたインターネット・コミュニケーション事業部を統合し、エンタープライズ・ソリューションズ事業部を設置。モバイル環境におけるセキュリティのニーズ増大に対応して、モバイルとセキュリティを組み合わせた新たなソリューションの開発に力を入れていく。

 エンタープライズ・ソリューションズ事業部では、ビジネス用途で使われる携帯端末の提供や、ファイアウォールやVPN(仮想私設網)、SSL(セキュアソケットレイヤ)-VPNの機能を提供するセキュリティ・アプライアンス機器を企業向けに提供していく。これまでノキアのセキュリティ事業部が提供してきたネットワークセキュリティの提供だけでなく、企業のモバイル環境を意識し、セキュアなネットワーク接続環境を実現するための製品を強化し、これらを組み合わせて販売していく。同社の強みであるモバイル事業とネットワークセキュリティ事業を切り出し、モバイル環境でのセキュリティビジネスを前面に押し出していく方針だ。

 同事業部に属する社員数は、ワールドワイドで約2000人と、売り上げの約65%を占めるモバイル・フォン事業部に匹敵する人員規模となる。柳下幹生・エンタープライズ・ソリューションズ事業部カントリージェネラルマネージャー(=写真)は、「企業の情報システムのなかで、2005年には、基幹業務アプリケーションを含む40%以上のアプリケーションがモバイル対応になる」と予測する。

 「企業における今のモバイル化は電子メールや住所録、タスク表、イントラネットへのアクセスなど。それが近い将来には、CRM(顧客情報管理)やSFA(営業支援システム)などのフロントエンドのアプリケーションがモバイル化し、最終的にはERP(統合基幹業務システム)やデータベースといった基幹業務アプリケーションまでモバイル対応とする。モバイル化する上で、最も重要になるのはセキュリティであり、今後のノキアの中核となるビジネスになる」と位置づけている。SSL-VPNアプライアンスが急成長するなど、セキュリティのニーズが携帯電話からリモートアクセスユーザーへの対応まで範囲が広がるなかで、モバイルに強みを持つノキアが、それをベースに本格的にセキュリティ事業に取り組んでいくことになる。