日本ネットワークアソシエイツ(NAC、加藤孝博社長)は、セキュリティソフト「マカフィー」のコンシューマ向けビジネスで、初年度獲得目標ユーザーを、昨年10月の販売開始時に立てた80万ユーザーから110万ユーザーに上方修正した。ISP(インターネットサービスプロバイダ)経由や、パソコンへのバンドル提供を重視した戦略を進め、すでに約60万人のユーザーを獲得。当初の見通しよりも好調なことから、ISP経由、バンドル戦略を引き続き加速させ、ダウンロード販売も新たに強化する。3つの販売チャネルで、2005年10月までには300万ユーザーを獲得し、セキュリティソフト市場で25-30%のシェア確保を目指す。

 NACの田中辰夫・執行役員コンシューマー営業統括本部長(=写真)が打ち出す拡販戦略は、パソコンショップや家電量販店などの店頭販売以外のチャネル強化だ。この戦略を昨年10月1日のコンシューマ市場再参入から一貫して推進し、これまで獲得したユーザーへの販売経路の約8割が、ISPとの協業によるインターネット回線サービスと組み合わせた販売と、メーカー製パソコンへのバンドル経由によるものだという。ISP経由では、KCOMとビッグローブユーザーへのウイルスチェックサービスを開始しており、パソコンへのバンドルでは、松下電器産業とNEC製パソコンにプリインストールしてきた。ISPとバンドル経由で獲得したユーザーはそれぞれ全体の約4割で、それ以外の約2割が店頭でのパッケージ販売となる。田中執行役員は店頭以外での販売戦略を進める理由について、「通信環境の進展で、店頭以外での販売経路が重要視されてきているため」と話している。

 好調の大きな理由として、「お試し版」から有料ユーザーへの移行比率の高さを挙げており、バンドルでは「有料ユーザーへの移行は約75%」と自信をみせる。今後も「店頭から撤退するつもりはない」(田中執行役員)が、ISPとパソコンメーカーとの提携をさらに進めていく方針だ。まず、ISP経由では、これまでのKCOMとビッグローブの2社に加え、新たにODNとケーブルテレビ業者のコガネット、アニーインターネット、BeToAccess経由でのウイルスチェックサービスの提供が決まった。また、パソコンへのバンドルでは、今年4月からはデル製パソコンへの提供を開始。「今秋にはさらに数社のパソコンメーカーへのバンドルを予定している」(田中執行役員)という。また、ISPとバンドルだけでなく、ダウンロード販売にも力を入れていく方針で、詳細は検討中だが、重点チャネルを3本柱とし、拡販を図っていく計画だ。