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ソフォス 世界で中小企業開拓 国内はパートナー数3倍に増強

2004/06/14 20:49

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

 英セキュリティベンダーのソフォス(ヤン・フルスカCEO=写真)は、ワールドワイドで中小企業ユーザーの開拓に着手する。これまで大企業をターゲットとした製品開発と販売網の構築をメインに手がけてきたが、ウイルス対策ソフト「ソフォスアンチウイルス」シリーズに、初めて中小企業向けの製品をラインアップし、これを機に中小企業に強い販売パートナー網も新たに築く。日本法人のソフォス(アラン・ブロデリック社長)では、年内に販売パートナーを現在の5社から15社まで拡大させるとともに、社員も2倍の約30人に増やす。

 先月販売開始したウイルス対策ソフトの中小企業版「スモールビジネスエディションシリーズ」のターゲットは、50人以下の中小企業。これまで数千人クラスの大企業を中心に手かげてきたソフォスにとって、新たな需要囲い込みの戦略商品となる。システム管理者のいないユーザーであることを意識し、容易な一元管理機能と、24時間365日対応のサポートサービスを付加したことが特徴だ。ワールドワイドで一斉に発売しており、現在日本語のほか、9か国語に対応している。

 ヤン・フルスカCEOは、「中小企業ユーザーへのアプローチは、今後ウイルス対策ソフト市場で最も重要になり、スモールビジネスエディションは核となる商材」と位置付ける。中小企業市場は競合他社も強化している分野であり、大手企業ユーザーを得意としてきた同社も割って入ってきた格好だ。製品をラインアップしたことで、今後は中小企業に強い販売パートナーの拡充を急ぐ方針。ワールドワイドのソフォス販売パートナー数は明らかではないが、パートナー網の拡大に備えて、代理店営業人員やサポート人員を中心に、現在ワールドワイドで800人の社員を早い段階で1000人まで増やす。

 日本市場では現在シー・エス・イーやフォーバルクリエーティブなど5社のパートナーと契約しているが、これを今年度(2005年3月期)以内に最大15社まで増やす計画だ。併せて、日本法人自体も営業担当者およびパートナー支援のサポート人員を中心に社員数を拡大させる意向で、15人から約30人に増やす。ブロデリック社長は、「販売パートナーにはそれぞれ強みがあり、中小企業に強いパートナーを中心に拡充する。現在5社程度と交渉を進めている段階」と、すでに新たなパートナー網の確立に動いている。

 フルスカCEOによれば、ソフォスの売上高は、ここ数年で毎年前年度比約40%増で伸びているという。アンチウイルスソフト市場全体の伸び率約15%に対し、これを上回る伸び率で、「中小企業ユーザーという新たな領域を開拓することでさらに成長できる」と期待しており、ワールドワイドで中小企業市場でのビジネスを強化する。
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