大阪を基盤とする独立系システムインテグレータ・ソフト開発のエムネット(萬野喜久次社長)は、首都圏を中心に関西以外の地域での事業強化に乗り出す。近く、静岡県浜松市に事務所を開設するほか、東京支店での採用を拡充。これまでマンパワーの不足で受注機会を逃してきた首都圏や東海地方での受注拡大や顧客サポートを強化する。これにより、今年度(2005年3月期)の売上高は昨年度(04年3月期)に比べ20%超の増加を目指し38-40億円を確保、IPO(株式新規公開)へ向けた体制を整える考えだ。

 浜松事務所は今夏中に開設、自動車関連メーカーを中心としたシステム運用やサポートの拡大を図る。これまでは、中国・上海にある子会社の埃慕計算機技術(上海)有限公司が、中国に進出した日系企業に対する現地でのサポート業務を受注していた。

 これに加えユーザー企業が経営効率化の観点から日本にある本社のシステム運用・サポートをアウトソーシングする意向を示しており、事務所を設置することで受注獲得を目指す。

 一方、首都圏でも、既存顧客からのソフト開発やシステム構築ニーズが増えているものの、マンパワーの不足がネックとなって受注できずにいた。昨年度は、首都圏に本拠を置く同業他社との連携を模索したが、最終的な合意には至らなかった経緯がある。このため、今年度は中途採用を中心に、現在120人体制の東京支店を強化するとともに、案件ごとにパートナーを開拓し、受注機会を逃してきた顧客からのニーズをフォローしていく体制を敷く方針。

 このほかに、地盤である関西地区においても携帯電話向け組み込みソフト開発の需要が拡大している状況を受け、首都圏などの受注体制強化と合わせ、前年度比15%増で売上高32億円を達成した昨年度を上回る38-40億円をめざす方針だ。

 同社では、売上高50億円をIPOへのステップと位置付けている。このため、これまでに営業網の拡充を進めてきたが、その効果が現れるようになってきている。首都圏を中心としたシステム構築・ソフト開発などの受注体制整備で、IPOの地盤固めをさらに進める考えだ。