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マカフィー IPSとファイアウォールを加えたセキュリティソフト 乗り換えキャンペーンも実施

2004/07/26 21:03

週刊BCN 2004年07月26日vol.1049掲載

 マカフィー(旧・日本ネットワークアソシエイツ、加藤孝博社長)は法人向け事業で、クライアント向けセキュリティソフトの新バージョン「マカフィーウイルススキャンエンタープライズ8.0i」を7月末に発売する。パーソナルファイアウォールやIPS(不正侵入防御システム)機能を付加し、ワーム対策や、定義ファイルが配布される前段階のウイルス対策を施せるようにした。発売に併せ、他社製品からの乗り換えキャンペーンを実施する予定で、このキャンペーンで100社の乗り換えユーザー獲得を見込んでいる。

「マカフィーウイルススキャンエンタープライズ8.0i」では、従来のパターンマッチングによるウイルス対策機能に加え、パーソナルファイアウォールとIPS機能、スパイウェアやパスワードクラッキングツールを検知する機能を付加した。

 これにより、ウイルス定義ファイルを適用する前段階でも、ウイルスやワームといった不正プログラムを防止できるようにした。定義ファイルのインストールによって、ウイルスの侵入を防ぐパターンマッチングでは、セキュリティパッチが公開されてから対応する定義ファイルをインストールするまでの期間に、ウイルスを防ぐことは不可能だった。

 能地將博・マーケティング本部マーケティング部プロダクトマーケティング部長代理は、脆弱性の発見からその脆弱性を突く最初の不正プログラムが発生するまでの期間が急速に短くなっていると指摘。「今年4月に発生したSasser(サッサー)はセキュリティパッチ公開から15日で発生しており、今後セキュリティパッチ公開日にウイルスが発生する可能性もある。パターンマッチングに加えIPSやファイアウォールを備えたセキュリティソフトを利用することがクライアントレベルでも必要になってきた」と話している。

 同ソフトのターゲットとしているのは、従業員250人以上の中堅・大企業で、能地部長代理はこの顧客層のセキュリティソフト市場について、「何らかのセキュリティソフトを導入しているユーザーが大半で、初めてセキュリティソフトを導入するユーザーはほとんどいない」としている。同社では、拡販のためには「他社製品からの乗り換えユーザー獲得がカギになる」(能地部長代理)としており、他社のセキュリティソフトを導入しているユーザーに対しては、定価から35%値引きした価格で提供するキャンペーンも始める。

 キャンペーン価格は、「他社製品の更新費用よりもさらに安価」(能地部長代理)な価格設定にしており、たとえば251-500人の場合では1年目1ユーザーあたり2769円で提供する。同社では、250人以上の中堅・大企業をターゲットに拡販し、乗り換えユーザー100社の獲得を見込んでいる。
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