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オニックス・ソフトウェア コールセンターのIP化追い風 売り上げが前年度比2倍

2004/07/26 21:03

週刊BCN 2004年07月26日vol.1049掲載

 CRM(顧客情報管理システム)ベンダーのオニックス・ソフトウェア(ブレント・フライ社長)は、今年度(2004年12月期)の売上高の伸び率が前年度比2倍となる見通しを明らかにした。急成長の原動力は、IP化が進むコールセンターのCRM刷新需要の拡大や、自治体など新規市場の出現などが挙げられる。

 これまでのCRM市場のトレンドは営業支援に重点を置いたものだった。だが、IP電話の普及が本格的に始まるなど、CRMの大口顧客の1つであるコールセンターのインフラそのものに大きな変化が起きた。これに伴い、CRMなど業務アプリケーションの大幅な刷新需要が発生している。

 これを受けてオニックスが7月15日に投入した主力のCRM新製品では、主にコールセンターをターゲットにした製品に仕上げてあり、市場開拓の重点を営業支援からコールセンターに移した。

 また、昨年4月に札幌市役所が国内で初めて運用を始めた市民向けコールセンターにオニックスのCRMを導入するなど、自治体需要が顕在化してきた。人口100万人以上の自治体を中心に市民サービスの向上を目的としたコールセンターの導入計画が全国規模で進んでおり、これと連動したCRMの導入もますます盛んになると見られる。

 民間分野でも、従来はコンシューマとの接点が少なかった製薬業が、相次いでセンターの拡充に力を入れるなど、顧客重視の経営が業種業態を問わず広がっていることも追い風になっている。

 オニックスでは、こうした新規需要を「確実に受注していく」(五十嵐修・取締役最高執行責任者)ことで、前年度比2倍の成長を見込む。重点開拓分野であるコールセンターに強い販売パートナーを拡充するなど販売力の拡充を急ぐ。製品面では電子メールからの問い合わせに対応できる機能を標準でサポートするなどインターネット連携をさらに強化した。

 CRM市場が拡大基調にあることから、需要動向にマッチした新製品をタイムリーに投入することで、ここ2-3年は、前年度比で2倍の成長を果たし、CRM大手ベンダーとしての認知度を一気に高めることを狙う。
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