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サクセスTRC プロジェクト管理の研修開始 ノウハウを日本企業に公開

2004/08/02 21:07

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

 サクセス・ティ・アール・シー(SUCCESS TRC、サチン・チョードリー社長)は、ユーザー企業向けにプロジェクト・マネジメントの研修活動を開始する。同社は、インドに開発拠点をもち、オンサイト、オフショアなどによりソフト開発を請け負っている。現在NTTコムウェアなど数10社の日本企業と取り引きを行っているが、「日本企業の場合、プロジェクトの進行途中での仕様変更が多く、これが納期延長やコストアップの要因になっている。最初からプロジェクト管理をしっかり行っていくことが必要で、この辺のノウハウを公開していく」(チョードリー社長)としている。

 同社が提案しているオンサイト/オフショアによるソフト開発の仕事の流れは、①無料での提案書の作成、②契約(以降は有料)、③3週間から2か月程度の期間を使っての同社技術者による分析、④日本語版、英語版の2種類の仕様書作成、⑤開発、デザイン設計、⑥テスト、⑦ユーザーによるテスト、⑧納品──という8段階のステップをたどる。

 こうした流れのなかで、まず分析、仕様書がしっかりしていないと途中で仕様変更が起こりがちになるというのが同社の主張だ。こうした事態を避けるために同社では、「日本語、英語の双方がわかる日本人のバイリンガル・コーディネータを必ずつけてコミュニケーションの円滑化を図っている」(チョードリー社長)と日本の習慣に配慮する姿勢を見せる。「日本語または日本文化を理解していないと、必ず途中で問題が生じる。例えば日本人は、いやとかだめとかをはっきり言わず、あうんの呼吸で物事を進めがちだが、これが後になって問題になる」(同)ためだ。バイリンガル・コーディネータには、「エンジニアの経験のある人間を採用、最初の段階で曖昧さをできる限りなくすようにしている」という。

 実際の開発はインドにある開発センターで行うことが多いが、同センターはCMM(能力成熟度モデル)レベル5に加えてCMMiも取得しており、技術力では高く評価されているという。

 チョードリー社長は、「数10社の日本企業と取り引きして得たノウハウは多い。特に最初の段階における詰めの重要さを痛感している。これをプロジェクト・マネジメントと表現しているが、このあたりのノウハウを研修という形で日本企業に公開していく」としている。

 研修コースについては各種検討しており、長いものでは3か月程度の期間をかけ、「インド開発センターでの研修なども盛り込むつもりだ」と意欲を見せる。
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