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クラステクノロジー 大手ベンダーとの協業強化 生産管理システムの拡販狙う

2004/08/02 21:07

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

 生産管理ソフト開発のクラステクノロジー(四倉幹夫社長)は、大手ベンダーとの連携強化により主力で自社開発の生産管理パッケージ「ECオブジェクツ」の拡販に力を入れる。従来はNECや日立製作所グループなどとの連携を進めてきたが、ここへきて新たに日本アイ・ビー・エム(日本IBM)との連携ビジネスが本格的に動き出した。

 これまでは、生産システム開発に注力しており、マーケティングや販売パートナー支援が手薄なため、一部で商機を逃してきた経緯があった。それを見直し、マーケティング組織を強化するなどして大手ベンダーなど販売パートナーとの連携を積極的に推進。従来の販売チャネルに加えて、新しく日本IBMと連携した販売にも力を入れる。

 米IBM本社とは協業プログラムの「ISVアドバンテージ・アグリーメント」の契約を昨年10月に交わし、今年度(2005年3月期)に入ってから日本IBMとの具体的な協業プランが稼働した。とりわけ自動車製造や関連産業が集中する中部地区での連携が本格化しているという。「製造業を攻めるには、トータルでプランニングできる大手ベンダーと組むのが効果的」(四倉社長)と、知名度が高いベンダーと積極的に組む方針を示す。

 今年4月には主力の「ECオブジェクツ」を日本語、英語、中国語、独語、仏語の5つの言語へ対応させ、現在は韓国語への対応準備を進めている。これまでは国内企業向けの販売が中心だったが、今後は海外市場への「ECオブジェクツ」の拡販を目指す。米IBMはワールドワイドの販売チャネルを擁していることから、国内での協業にとどまらず、世界規模でIBMグループと協業していくことも視野に入れる。

 生産管理システムの「ECオブジェクツ」は、グローバル統合化部品表によって、製造業などが世界各地に展開している工場の生産管理システムを統合し、グローバル市場における生産リードタイムの短縮や、需要発生にあわせて生産するリアルタイム生産を重視した製品。昨年度(04年3月期)末時点で国内約100社に納入した実績を持つ。今年度(05年3月期)は、さらに20社からの受注を見込む。
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